Epic Gamesは、iOS/Android向け「Epic Games Store」について、近日中に20作品ほどのサードパーティーのゲームが販売開始されると予告しました。
モバイルゲーム用のセルフパブリッシングツールは現在、招待制のベータ版で利用可能であり、今年後半にはすべての開発者とパブリッシャーに公開する予定です。PC またはモバイル(またはその両方)でゲームを配信することに興味のある開発者は、次のフォームに記入してチームにご連絡ください。
https://store.epicgames.com/ja/news/epic-games-store-on-mobile-adds-third-party-support
また、Epic GamesのトップTim Sweeney氏はX上の開発者からの質問に答える形で、開発者の販売者登録についても年内に開放すると回答しました。
欧州においてAppleは、Epic Games Storeのようなサードパーティーストアでアプリを公開する場合、「Core Technology Fee」と呼ばれる追加費用を開発者に要求しています。これは、アプリが100万インストールされた場合、それ以降インストールごとに0.5ユーロが徴収されるものです。(https://developer.apple.com/jp/help/app-store-connect/distributing-apps-in-the-european-union/core-technology-fee-invoice-fields/) 。Epic Gamesは、もし本費用が発生した場合は1年間ディベロッパーの支払いを肩代わりすることを表明しています。
モバイルのEpic Games Storeについて、現在iOSは欧州のみで展開されています。これは欧州において、サードパーティーのアプリストアをモバイルプラットフォーマーは利用できるようにする法律「Digital Markets Act」が施行されたことが背景です。
日本においても2024年6月に「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」(https://laws.e-gov.go.jp/law/506AC0000000058/20251218_000000000000000 ) が施行されており、同様に利用可能になる可能性が高いと見られます。iOS版「フォートナイト」の同社プラットフォーム経由での配信は2025年後半に実施されると予告されています。
AppStoreならびにGoogle Playでのアプリ配信は、厳格な審査やディベロッパー登録条件、SDKバージョンアップデート追従の難易度などにより、個人・小規模開発者にとって厳しい市場となっています。
かわってEpic Games Storeは新興のストアであるものの、手数料が12%と非常に低いほか、ゲームがUnreal Engineを使用して開発されている場合、エンジンに使用手数料である5%が免除されるという仕組みも含まれておりディベロッパーフレンドリーと言えます。
また、Epic Games Storeは名前の通り「ゲーム専門ストア」であるため、ゲームに興味のあるユーザーのみがストアにアクセスするという利点があります。Epic Games Storeがよりコアゲーマーに向いたゲームが注目されやすい新たな市場になることを期待しています。
現在、モバイル版ストアに参入を希望するパブリッシャー・ディベロッパー向けのフォームが公開されています。
Steam, AppStore, Google Playをはじめとした各ゲームプラットフォームでの販売手数料は、30%が平均的な設定です。その中でEpic Gamesは12%と比較的低額な設定としています。
またEpic Games Storeは、販売されているゲームがYouTubeやTwitchで動画配信された際、売り上げに貢献した配信者に対して報酬を支払う「クリエイターサポート」プログラムもあります。
クリエイターサポートは、Epic Games Storeでゲームのプロモーションを手伝う素晴らしいコンテンツクリエイターが多数参加しているプログラムです。クリエイターは、貢献したそれぞれの売り上げから収益の一部を得ます。クリエイターへ支払う割合は開発者が設定し、最初の24か月間は、Epicが最初の5%を支払います。
https://store.epicgames.com/ja/publish
Epicが提供するストアではありますが、ここで販売できるゲームはどのようなゲームエンジンを使っていても問題ありません。加えて、もしゲームがUnreal Engineを使っている場合、Epic Games Store上での売り上げからはエンジンのライセンス料が無料になります。
Epic Games Storeで販売されるUE4ベースのゲームは、エンジンの使用料が免除されるという利点があります。一例として、5%の使用料が発生するデフォルトの無料ライセンスを使用している場合、Epic Games Storeでの販売に関してはライセンス料を支払うことはありません。他のプラットフォームにおける販売では、これまでどおり5%の使用料が発生します。
https://store.epicgames.com/ja/publish
Epic Games Storeでタイトルを販売するには、ゲーム1つにつき回収可能な100ドル(USD)の登録料が必要となります。これはSteamと同様です。登録料の前払いは、アセットフリップとよばれる既存販売アセットを組み合わせたのみの低品質なゲームや、イラストを一部変えただけの大量の類似ゲーム、「AI生成物」の詰め合わせなどの販売をブロックする機能があります。
今回の発表は、Epic Games Storeでゲームを販売するまたブログ記事によると、開発者のリクエストが通過した場合に限り、商品ページのローカライズを無償で提供しているとのことです。
Epicは、ゲームページのプロフェッショナルなローカライズを追加費用なしで提供しています。こちらのサービスは、デベロッパーポータルのサポートチケットでお申し込みいただけます。
https://store.epicgames.com/ja/news/epic-games-store-launches-self-publishing-tools-for-game-developers-and-publishers
どのようなゲームが販売できるかは、コンテンツガイドラインのドキュメントが公開されています。
禁止コンテンツ
以下の 禁止コンテンツ を含む製品を Epic Games ストアで配布することはできません。ストアフロントで提供されている製品内の禁止コンテンツに関して苦情が寄せられた場合、その製品は再レビューの対象となり、Epic Games ストアから削除されます。
禁止コンテンツには、以下が含まれます。
https://dev.epicgames.com/docs/ja/epic-games-store/requirements-guidelines/content-ratings/content-guidelines
- 憎しみまたは差別を助長するコンテンツ
- ポルノ
- 違法なコンテンツ
- 自らが所有していない、または使用する権利を持たない知的財産を侵害するコンテンツ
- 詐欺、詐欺、または偽のゲームやマルウェアなどの欺瞞的な行為
- レーティングが成人向けの製品
販売ルートを増やしたい、これからタイトル販売を行おうとしている開発者は、Epic Games Storeの利用もぜひ検討してみてはいかがでしょうか。