ゲームをオンライン試遊展示できるサービス「NORA」ベータ参加レポート。webブラウザで展示会感覚のテストプレイが実現可能

「NORA」は、オンラインで開発中ゲームの試遊を可能にするサービスです。開発者のPCで動作しているゲームをウェブ経由でプレイヤー側のブラウザと接続し、手軽に体験してもらうことができます。「Steam LINK」や「Parsec」などのプライベートクラウドゲーミング的な仕組みに、展示会用のシステムを融合させたサービスと言えます。今回、そのベータテストが実施されたため、実際に体験を行いましたので、レポート記事をお届けします。

インディーゲーム開発者がより手軽にゲームを体験してもらえるように

新型コロナウイルスの影響下により、インディーゲーム開発者は「展示会」の機会を大きく制限されてしまっています。昨年はデジゲー博が実施されましたが、それ以外のイベントはオンラインに移行。オンライン展示会は全国から参加できるメリットがある一方で、ゲームを体験してもらう機会が大きく制限されてしまうことが問題でした。

「NORA」は自身もゲーム開発者である、るっちょ氏によって開発されているサービスです。ゲームプレイヤーはwebブラウザ経由で、開発中の作品を体験することができます。

インディーゲームの展示では、自宅からPCを持ち込んで展示を行い、来場者にコントローラーを渡してその場で遊んでもらう…というのが定石でした。また、遊んでいる様子を見たり、説明を加えたりといったことで、フィードバックを得ることも重要な機能でした。

しかしながら新型コロナウイルス影響下において、オンライン展示会でゲームを遊んでもらおうと思った場合は「体験版の配布」という手段になることがほとんどでした。単独で安定動作する体験版を別途制作しなくてはならない時間的コスト(説明なしで遊べるようにチュートリアルも作らなくてはなりません)、プレイヤーが試遊中に開発者がそのプレイ中の反応を確認できないこと、そして「体験版のダウンロード・インストール」がゲームプレイヤー側の大きな負担になってしまうことなど、さまざまなデメリットがありました。

一部、クラウドゲームで展示を実施しようとしたこともあった様子ですが、開発者にその対応コストが必要になってしまい、あまり解決には至っていませんでした。そんな中で登場した「NORA」は、これらのゲーム開発者の悩みを一手に解決するシステムと言えます。

以下は、るっちょ氏による概要の紹介です。

自作ゲームをリモートで展示・試遊できるWebサービス「Nora」のご紹介
https://note.com/ruccho/n/n0feddd0c3629

プレイヤー側はブラウザを立ち上げるだけで試遊可能

2021年3月20日夜、るっちょ氏のTwitterにてベータテストが告知されていたため、筆者は飛び入りで体験会に参加しました。

まず驚いたのは、前述した「プレイヤー側は特別なソフトが要らない」という点です。ブラウザで配信ページにアクセスすればすぐに参加できます。アカウントはTwitterと連携しているため、ログインすれば自分のアイコンが表示されます。

また、「順番待ち」のシステムも優れています。プレイ希望の人が多い場合はキューに表示され、並んでいる間も他のプレイヤーが操作している様子を見ることができます。これはSteamリンクやParsecなど、類似のサービスには無い特徴です。

他のプレイヤーが操作している様子を見ながら待っている時間は、さながら「ギャラリー」として展示会において後ろの方から眺めている感覚に似ていますし、とてもワクワクします。

さて、順番がやってきました。本サービスは何かコントローラーを接続していれば、左上のメニューから選択して利用することができます。今回は私はPS4コントローラーをUSBケーブルでPCに接続して利用しました。

レスポンスは良好で、ネットワークを介したリモートである事を感じるシーンはあまり多くありませんでした。ただ、この作品よりハイスピードな展開をするゲームは難しいかもしれません。このあたりは使用するサーバーや、ホストPCのエンコード速度の改善で良くなっていくものと思います。

画質は「それなり」ではありましたが、とテストで使用された『地下楼』(るっちょ氏の作品)が動画圧縮の効きにくいビジュアル故なところもあったかと思います。とにかくおプレイまでのハードルが低いことがこのサービスの強みですから、サクッとゲームを触ってみたい、というニーズには十分マッチするでしょう。まずはこのシステムですぐに体験してもらい、もっと試したい場合は外部のストアで配信している体験版に誘導する、などのやり方もできそうです。

「NORA」は鋭意開発中

NORAの技術面は、開発者のPC内でゲームを起動・映像のエンコードを行い、サーバーを介して映像音声をプレイヤーの元に届けます。また、プレイヤー側からはコントローラー入力を行います。サーバー上でゲームが起動せず、またゲーム側も1台の見の動作であるところがクラウドゲームとは異なる点です。

画像4
るっちょ氏の記事より https://note.com/ruccho/n/n0feddd0c3629

実際にインディーゲームを開発している開発者の手によるサービスなだけあり、開発者フレンドリーな設計も魅力です。開発者側はホスティングツールを起動しておくだけでよく、またゲーム自体への組み込み用SDKを提供する予定もあるそうです。

また、オフラインマルチプレイゲームにも対応し、最大同時プレイ人数はホストが任意に設定可能。ただしエンコードの負荷に影響があるため、現在の設定は8人を上限としているとのことです。加えて、クライアントはモバイルでも動作します。

今回の体験会は十数名ほどのゲーム開発者が参加し、るっちょ氏にフィードバックを行っていました。本システムはさらに磨きがかかるものと期待しています。

インディーゲーム開発者の悩みを一挙解決するかもしれない「NORA」。
IndieGamesJp.devでは、開発者のるっちょ氏へのインタビュー記事制作を予定しています。ぜひお楽しみに。

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