SNSでのインディーゲーム開発における楽曲制作の話題に対し、日本のゲームサウンド作曲家が次々にサポートを表明

2026年10月、SNSにてゲーム開発における楽曲(BGM)に関する話題が持ち上がり、ゲームサウンド作曲家たちがインディーゲーム開発者のサポートに次々に手を挙げています。発端は、個人開発者の超熟ななこ氏(@nanacojima)の「個人開発のみなさん、ゲームのBGMってどうしてます?」という問いかけで、書き下ろし楽曲をプロに依頼するという選択が少数にとどまったことです。これを受けて、ゲーム音楽作曲家の杉森雅和氏(『逆転裁判』『Ghost Trick』など)は、自社が以前からインディーズ向けの価格設定を用意していると投稿しました。

杉森氏は、株式会社MUSE SOUNDについて「基本的にインディーズのお手伝いをしたい会社」とし、「以前からインディーズ向けの価格設定がある」と説明しています。依頼内容は問わず、杉森氏自身が「作りたいと感じるか」で審査するとしたうえで、フリー素材やAIで済ませるのはもったいないという考えを示しました。

この流れの中で、作曲やサウンド制作の担当者が、自身の窓口を挙げています。たとえばTECHNOuchi(竹ノ内裕治)氏は、元コナミ、SCE、フロム・ソフトウェアを経て、『メタルギア2 ソリッドスネーク』『デモンズソウル』などを担当してきた作曲家です。作曲家の取りまとめ、効果音制作、音声収録、ゲームへの実装まで、サウンド全体をコーディネートすると述べています。

開発者からの意見も

『NeverAwake』『まじかる☆プリンセス』の開発で知られるネオトロのh.sawatari氏は、「BGMはプロか、準ずるクオリティを作れる方への依頼一択」としながら、ゲームサウンド作曲家がSEなどについても含めて相談にしっかり乗ってくれるケースもある、と述べばした。

この投稿を受けて、フリーのサウンドディレクターである坂本昌一郎氏は費用の考え方に触れています。本格的に発注すると、一般の人が見たら驚くような価格になるが、単価6桁円未満で見積もるなら20代の若手に依頼するのがおすすめだと述べました。権利を作家側が持ち、サウンドトラックの売上をそのまま支払うという形も挙げています。

坂本昌一郎氏は『ワールドフリッパー』のサウンドディレクションや『11eyes』のBGMなどを担当し、自身でRPG『毒姫カンタレラ』の開発を行っているインディーゲーム開発者でもあります。坂本氏は、自作することと知人や尊敬する人に相談することがお勧めなのだそうです。

海外インディーでは日本のゲーム作曲家への依頼が盛ん

海外のインディー作品においては、日本のゲームサウンド作曲家に依頼するケースが盛んです。『聖剣伝説2』などで知られる菊田裕樹氏は、アメリカのLab Zero Gamesが開発した『Indivisible』(2019年)でサウンドトラックを担当し、Roach Gamesの『Kingdoms of the Dump』(2025年)にも参加しています。

カナダのSabotage Studioが開発した『Sea of Stars』(2023年)では、光田康典氏がゲスト作曲家として楽曲を提供しました。同じくカナダのArtisan Studiosによる『Astria Ascending』(2021年)では、崎元仁氏がミュージックディレクターを務めています。

オランダのTeam Reptileが開発した『Bomb Rush Cyberfunk』(2023年)では、『ジェットセットラジオ』で知られる長沼英樹氏が『GET ENUF』など3曲を提供しました。ごく最近の事例では、スペインのUndercodersが開発した『電車アタック(Denshattack!)』(2026年7月)は、サウンドトラックに20名以上の作曲家やアーティストが参加しています。『ペルソナ』シリーズなどの目黒将司氏、『ロックマン3』などの藤田晴美氏、『バーチャファイター』シリーズなどの光吉猛修氏が楽曲制作に参加しています。

実はゲームサウンド作曲家はゲームの規模の大小にかかわらず、積極的に楽曲制作の依頼を受けています。しかしながら開発者側からは「相場がわからず、高そうで頼めない」「どう発注すればよいかわからない」といった声も出ており、価格や進め方の情報が少ないことが依頼の障壁になっている様子がうかがえます。ここに挙げた作曲家の皆様はインディーゲームとのコラボレーションにオープンであり、相談がしやすい可能性が高いと思われますので、ハイクオリティな楽曲を求める方はぜひ相談してみましょう。

昨今では、ゲーム開発における素材制作の依頼費用に使用できる補助金も現れてきました。経済産業省の補助金「IP360」には、法人化していない個人も申請できる「IP新規創出支援(スタートアップ支援)」があり、音楽の発注費も補助対象に含まれます(補助率1/2、上限1,000万円)。作曲家への発注を検討する際の資金面での解決法につながります。

楽曲やSEはゲームのクオリティに関わる重要な要素です。開発中のゲームにおいて「こんな楽曲が欲しい」「効果音制作をトータルで見てもらえる方と組みたい」と思っている方は、まずは事例を調べてみてはいかがでしょうか。

igjd

IndieGamesJp.dev Moderator

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