経済産業省の新たな支援「IP360」が発表、インディーゲーム開発における素材発注費やプロモーション費用などに補助率1/2+上限1,000万円を支給、法人を持たない個人でも応募可能!第1回公募期間は3月24日17時まで

[UPDATE] 公募が開始されました。第1回公募期間は:3月10日〜24日17:00です。
経済産業省は、インディーゲーム開発者も対象の新たな補助金プログラム「コンテンツ産業成長投資支援事業(IP360)」を発表しました。このプログラムは、日本のコンテンツ産業の国際競争力強化を目的として、新規コンテンツの創出から海外展開に至るまでの一連の活動を支援するものです。取り組み全体の名前はIP360 (Toward 20 Trillion Yen )で、通称 : サンロクマルと呼称します。
個人も含めた日本のインディーゲーム開発者が利用可能
今回の補助金プログラムには、インディーゲーム開発者が比較的活用しやすい複数の支援メニューが含まれています。特に注目されるのが「IP新規創出支援(スタートアップ支援)」です。この支援は、法人化していない個人でも申請可能です。公募は2026年3月末頃に開始され、4月下旬頃に締め切られる予定です。
「IP新規創出支援(スタートアップ支援)」は、ゲーム、アニメ、音楽といった分野で継続的に新規IPを創出するため、新たにコンテンツ製作・開発に取り組む個人またはチームのスタートアップを対象としています。インディーゲームも明確に対象事業に含まれており、補助率は1/2、補助上限額は1,000万円、補助期間は最長で2027年2月までとなっています。補助対象は「プリプロダクション」「プロダクション」「ポストプロダクション(ローカライゼーションを含む。)」「プロモーション」です。
補助金の対象は、主にイラストや音楽の発注などに使える人件費、海外展示会出張の旅費運搬費などが対象となります。通信費も含まれていますが、補助金は「この事業のために新しく発生した経費」が対象のことが多くありため、ネット対戦のサーバー費用や、継続して利用し続けるソフトウェアのサブスクは対象外になると見込んでいます(問い合わせの上、今後の情報アップデートを行います)。また、本補助金は日本のコンテンツ支援・IP創出が目的であるため、外国法人への委託費・外注費は補助対象外です。

申請者は中学校を卒業している必要があり、個人またはチームの構成員の過去の実績が審査されます。申請には事業計画書やプロトタイプ、ポートフォリオの提出が求められ、審査ではプロトタイプの市場評価、将来的な海外展開(1か国以上への配信、1言語以上へのローカライズ)、そして2027年2月までに市場にローンチするというスケジュールの実現可能性が重視されます。注意点として、成人向けコンテンツや、特定の政治的・宗教的信条を宣伝するコンテンツは補助対象外となります。
法人化しているチームは額の大きい海外展開・プロモーション支援を提供
また、法人化しているゲーム開発者に対しては、スタートアップ支援とは別にもう一段額の大きい海外展開支援として「ローカライズ支援」と「プロモーション支援」の2つのメニューが用意されています。「ローカライズ支援」は海外展開のためのローカライズ事業を支援するもので、補助率は1/2、補助上限額は4,000万円です。「プロモーション支援」も同様に海外ユーザーへのプロモーション活動を支援します。こちらの補助率は1/2、補助上限額は2,000万円です。どちらのメニューも、海外の特定地域(重点国)での事業展開が審査で加点評価されます。
こちらの法人向け補助金の申請は、原則としてデジタル庁が運営する補助金電子申請システム「Jグランツ」を通じて行われます。Jグランツを利用するためには、事前に「GビズIDプライム」アカウントを取得しておく必要があります。GビズIDプライムの取得には、印鑑証明書や登記事項証明書などの書類提出が必要で、取得までに1週間以上かかる場合があるため、早めの準備が推奨されます。各支援メニューによってスケジュールが異なるため、詳細は公式の公募要領で確認する必要があります。
補助金の利用に必要な書面とロゴ掲示ルール
その他、各費用に補助金を使いたい場合の必要な手続きの要綱については「補助事業事務処理マニュアル」に詳細が記載されています。国の補助金は、不正な利用を防ぐため、外部への発注に際して複数の業者から費用見積りをもらって比較すること(相見積もり)が必要です。一般的な補助金利用では価格面で優位な発注先を選びますが、ゲームのようなコンテンツではクオリティや作風などで決めたいことがほとんどですから、「選定理由書」を作って提出します(「価格は比較して高いが、過去の実績や画風が本プロジェクトの要件に最も合致するため」など)。その他の提出書類については、見積をもらう際の仕様書や、実際に作業をしてもらう際の業務委託契約書と請求書、納品書など、通常の外部委託時に作る書類と同じです。その他、公募開始後には公募要領(説明会資料の更なる詳細資料)、公募要綱(補助金支払いにあたってのより細かい留意点)が公開される予定ですので、本補助金向けのさらなる情報は各種書面の公開をお待ちください。
なお、採択された作品・プロジェクトは、予算をどのように使ったかの証書の提出が求められるほか、IP360のロゴをエンドロールなどに掲載することを求められており、ゲームの場合も同様です。海外インディーゲームを遊ぶとエンドロールでさまざまな国・地域の支援を示すロゴがよく流れてきますが、逆に言えば、日本の個人開発者もこうした制度が利用できるようになったというわけです。

日本のインディーゲーム開発者が海外展開のチャンスをつかむための支援策が充実化しつつあります。IndieGamesJp.devでは、具体的な公募開始タイミングやさらなる情報について続報をお届けする予定です。「補助事業事務処理マニュアル」を見ながら、アーティストへの発注費や契約書周り、見積りなどの手続きについてあらかじめ調査しておくとよいでしょう。





