『Among Us』開発元によるインディーゲームファンド「Outersloth」が開発者向け契約書の全文を公開

『Among Us』の開発元であるInnerslothは、同社が運営するインディーゲームファンド「Outersloth」において、開発者と締結している契約書の全文を公開しました。この契約書は、ゲーム開発の資金調達における現状に一石を投じる目的で公開されたものです。

収益分配の変動と7年間の期限付き契約

Outerslothはパブリッシャーではなく、資金提供を行うファンドです。資金提供は50,000ドルから 200 万ドルの幅で、ゲームの発売後にレベニューシェアで返していく資金になります。マーケティングやPR、QA(品質保証)、ローカライズなどのパブリッシング業務は提供しません。契約書にも、開発者がゲームの開発、配信、マーケティング、PR、価格設定、販売などを管理し、必要に応じてサードパーティのパブリッシャーやディストリビューターと協力するものと記載されています。

公開された契約書(The Outersloth Contract)によると、Outerslothの資金提供条件は、まず資金の回収前(Pre-recoup)は、純収益の50%をOuterslothが受け取り、残りの50%を開発者が受け取ります。資金の回収後(Post-recoup)は、Outerslothの取り分が15%に下がり、開発者が85%を受け取る条件となっています。また、この契約には「リリース後7年間」という期限が設けられています。InnerslothのCEOであるForest Willard氏は、GDC Festival of Gamingでの講演において「誰にもあなたの資金に対する終わりのない権利を持つ資格はない」と述べ、ゲームの成否に関わらず7年で契約が終了することを説明しました。

Willard氏は、Outerslothがパブリッシングに関するサービスを提供しないため、マージンを上乗せすることは理にかなっていないと説明しています。一方で、アドバイスや人脈の紹介、販売データ分析プラットフォームである「IndieBI」の提供などのサポートは行っているとのことです。また、Outerslothが支援するスタジオを集めたSlackチャンネルを運営し、開発者同士が知識を共有し合える環境も提供しています。

契約条件の開示は業界の現状に一石を投じる試み

InnerslothのコミュニティディレクターであるVictoria Tran氏は、契約書を公開した理由について、他のファンドやパブリッシャーが活性化すること促すためだと述べています。自社の契約書を公開することで、今後の議論を形成する一助となることを期待しているとのことです。

Outerslothのように資金提供に特化し、期限付きで低い収益分配率を提示するファンドの存在は開発者にとってありがたいものです。さすがの知名度だけあって、世界中から大量の申し込みがされていると予想されます。日本においても、ゲームのパブリッシングだけでなく、こうした「ファンド」形式の協力会社が増えていくかもしれません。資金調達方法を模索している開発者は、今回公開された契約書を一読し、今後の交渉や契約における参考にしてみてはいかがでしょうか。

The Outersloth Contractの詳細はこちら

igjd

IndieGamesJp.dev Moderator

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