Unreal Engine 5のレガシーマテリアルは5.9を目標に廃止予定、Substrateマテリアルへの移行を強く推奨

2025年11月25日に開催されたゲーム開発者向け技術カンファレンス「Game Tools & Middleware Forum 2025(GTMF 2025)」にて、2025年11月12日にリリースされたUnreal Engine 5.7でProduction Readyとなったマテリアルシステム「Substrate」に関して、以前のバージョンのマテリアルが5.9で廃止される予定であることが発表されました。
このポストは、Epic Games Japanによるセッション「UnrealEngine5.7の注目機能紹介!」の内容を受けたものです。
Substrateとは
Substrateは、Unreal Engineが導入した新しいマテリアルオーサリングのフレームワークです。かつては「Strata」と呼ばれていました。従来の「Default Lit」や「Clear Coat」といった固定のシェーディングモデルを置き換え、より表現力豊かでモジュール化されたアプローチを提供します。
Substrateは、物理ベースの「スラブ(Slab)」と呼ばれる単位を組み合わせることで、複雑なマテリアルを直感的に構築できるモジュール性を備えています。これにより、クリアコート、異方性反射、布、ガラスなど、これまで個別のシェーディングモデルが必要だった表現を単一のフレームワーク内で実現することが可能になりました。
Unreal Fest Stockholm 2025のセッション動画
さらに、Substrateはスケーラビリティに優れており、プロジェクトの要求に応じて、マテリアルの複雑度とパフォーマンスのバランスを調整できます。Blendable GBufferとAdaptive GBufferという2つのレンダリングパスをサポートし、ターゲットプラットフォームに応じて選択できます。トゥーン表現も公式で加わりました。
Substrateへの移行はお早めに
開発中のプロジェクトについては、移行のタイミングを検討する必要があります。UE5.6以前から5.7に移行する際、Substrateを無効化している場合は変換されずに、そのまま既存のマテリアルが互換性レイヤーで動作します。
Substrateへのマテリアル変換のシステムは用意されていますが、この操作は元に戻せないため、事前にプロジェクトのバックアップを取るとよさそうです。また、移行後も値の調整(通常10~15%程度)が必要になる可能性があるとのことです。
・Substrate マテリアルの概要
https://dev.epicgames.com/documentation/ja-jp/unreal-engine/overview-of-substrate-materials-in-unreal-engine
既存のプロジェクトで Substrate を有効にする場合や、Unreal Engine 5.7 以降のバージョンに移行する場合は、次のガイドラインに従ってください。
- Substrate が有効になっているプロジェクトで Substrate ではない既存のマテリアルを開いても、そのマテリアルは変更されません。 Substrate ではないプロジェクトとの互換性が維持されます。
- 明示的に変換されたマテリアルは、Substrate ではないプロジェクトと互換性がありません。 その変換は永続的であるため、Substrate ではないマテリアルに戻すことはできません。
- プロジェクトで Substrate が無効になっている場合、Substrate マテリアルは黒色でレンダリングされます。 変換済みのマテリアルから作成された従来の Substrate マテリアルも同様です。 変換された Substrate マテリアルを従来のスタイルのマテリアルに手動でつなぎ直すことはできますが、そうしてもマテリアル グラフに存在する Substrate ノードは取り除かれません。
Epic Gamesが提供する公式ドキュメントやチュートリアルを活用し、Substrateの概念と使い方をはやめに学ぶことをお勧めします。






