itch. ioがゲームの検索一覧に生成AI作品の除外フィルターを拡張、生成AIによる粗製ゲームの増加に対応

インディーゲーム配信・販売サイトのitch.ioは11月3日、生成AIの利用申告に基づくフィルターを検索結果ページなどに追加すると発表しました。従来からあったAI利用の分類を、検索画面でも使えるようにする変更です。あわせて数テラバイト分の生成AIゲーム(AI Slop)を削除したと報告しています。

検索結果でAI利用の有無を絞り込み可能に

itch.ioでは、作品の登録者が生成AIの利用を申告すると、画像、音声、テキスト、コードなどの種類に応じてタグが付与されます。検索結果ではAI利用を申告した作品を除外できるほか、公式の発表画像では「No AI」タグを選択し、AI不使用と明示された作品に絞り込む例が紹介されています。

itch.ioによると、1日あたりの新規ゲームページ数は過去2カ月で倍増しました。これに対しゲーム素材の制作者Kenney氏は、itch.ioに対して1日あたりの投稿数の制限や、AI除外フィルターの初期設定での有効化を提案しました。

インディーゲーム開発者からは、こうしたitch.ioの対応を歓迎する声が寄せられています。インディーゲーム開発者のMichał Stankiewicz氏は、AI Slopの一括削除を評価しました。検索フィルターの発表に対しては、Fussy Ambassador氏も、これまでAI利用の申告に基づいて検索結果を絞り込みにくかったとして今回の変更を歓迎しています。

ただし、「申告されていない作品」は現在の使用ではフィルタリングすることができません。「No AI」で絞り込んだ場合も未申告の作品は表示されないため、検索結果は完全な判定ではありません。オーストラリアのゲーム開発スタジオRembot Gamesは、フィルターの拡張を評価する一方、AI利用を申告しない作品を通報できる機能があるかを尋ねています。たとえば、ゲームを含むコンテンツ販売サイトであるDLsiteでは、販売時に生成AIを使用しているかどうかの申請が必須であり、ユーザーがAI生成作品や一部にAIを利用した作品を検索から除外できる機能が提供されています。

ゲームストア全般で課題となっている低品質生成AIゲームの氾濫

逆にSteamはゲームに含まれる画像や音声などの生成AIの利用状況、および著作権侵害をしない仕組みの説明を申告する必要がありますが、申告された作品を一括除外するSteam公式のフィルターはありません。ValveのTom Giardino氏は開発者イベントで、開発者が使用するツールの門番にはなりたくないという理由からフィルターの導入に否定的で、ゲーム情報アカウントのAlpha Beta Gamerは今回のitch.ioの対応をSteamにも参考にするよう呼びかけています。

先の「Steam Next Fest」でも参加作品数が異様に増え、生成AIを用いた低品質作品が作品探しの妨げになるとの懸念が出ています。2026年10月の開催時、ゲームマーケティング情報サイトのHow To Market A Gameは、Stean Next Festでは7,240作品も登録されており、35%程度が生成AIゲームであったと調査しましたが、申告を正しく行っていないゲームを考えると実際のAI Slop数はさらに多そうです。

インディーゲームスタジオの2 Left Thumbsは、新作『Wheel Make It』のリリースがSteamの承認待ち期間が非常に伸びた影響で予定の配信日から遅れ、ウィッシュリストが1万1,000件を超えていた一方で発売直後の最大同時接続数は15人だったと報告しました。AI作品の増加による審査の混雑を原因と推測しています。

ゲームと生成AIに関する問題は、今回のような作品が大量に登録されてしまうことに加えて、著作権侵害問題、生成AIによってゲームをコピーされる問題など、インディーゲーム開発者は数多くの困難にさらされています。今回のitch.ioの対応は開発者コミュニティの中でも評価が集まっており、同様の問題に直面しているSteamや他家庭用ゲーム機ストアなども追従すべきとの声が高まっています。

itch.ioの公式発表はこちら

igjd

IndieGamesJp.dev Moderator

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