Valveの携帯デバイスSteam Deckの技術要綱ドキュメントが公開、全タイトルが互換性の審査中
Valveが発売予定の携帯型デバイス「Steam Deck」について、技術要綱が公開されました。

https://www.steamdeck.com/ja/verified
Valveは現在全SteamカタログをSteam Deckで動作するかレビュー中とのことです。
Steamで販売されるタイトルはSteam Deckの動作が「確認済み」「プレイ可能」「非対応」「不明」の四段階で判定され、それぞれ次のステートメントで評価されます。
・入力
タイトルは、コントローラのフルサポートと適切なコントローラ入力アイコンの使用、および必要に応じてオンスクリーンキーボードを自動表示します。・ディスプレイ
Steam Deckのデフォルトの解像度(1280×800または1280×720)をサポートし、適切なデフォルト設定があり、テキストが判読可能です。・シームレスな体験
互換性の警告が表示されず、ランチャーがある場合はコントローラで操作できます。・システムサポート
Protonを介して実行する場合、ゲームとそのすべてのミドルウェアがProtonでサポートされている必要があります。これにはアンチチートサポートも含まれます。
Steamプラットフォームの開発者向けドキュメント「Steamworksドキュメンテーション」に、Steam Deckの情報が公開されています。
https://partner.steamgames.com/doc/steamde
エミュレーション環境「Proton」の環境をPCで再現可能
Steam Deckは、Linuxベースのシステムで、Ubuntu(20.04 LTS)をベースにWindowsゲームのエミュレーション環境であるProtonを搭載しています。
ドキュメントでは、Steam Deck向けにゲームを最適化するにあたって重要な情報となるProtonについて日本語で掲載されています。
Protonは、WindowsゲームをLinux上で実行できるようにする互換レイヤーで、修正版のWineと高性能グラフィックスAPI実装のコレクションを使用しています。 チームは以前からProtonの開発と改善に取り組んできており、現在では、非常に幅広い製品に適用できるようになっています。 ほとんどのAPIはすでにProtonでサポートされており、ほとんどのゲームはそのまますぐに動作します。 弊社ではProtonの互換性を高める努力を続けており、可能な限り完全対応に近づけることを目標としています。
https://partner.steamgames.com/doc/steamdeck/proton
開発者のPCにLinuxテスト環境をインストールし、Ubuntu(20.04 LTS)上にSteam OSをセットアップする手順が書かれています。開発者は、Steam Deckを手に入れる前に動作を確認できます。
また、パフォーマンスを向上させるための重要情報として、「主要なグラフィックAPIとしてVulkanをターゲットにすることを推奨します。 UnityやUnrealなどのエンジンを使用する場合、すべてのユーザーのビルドでVulkanを有効にし、DirectXバージョンとのパフォーマンスや機能の違いをエンジンベンダーに報告してください。 」とあります。ゲームエンジンを使っている方はチェックしておきましょう。
Steam Deck向けに開発する際の注意
「開発者キットがなくても、Steam Deck上でのゲーム体験を今すぐ改善する方法」として、ゲーム開発者がSteam Deck向けに行う手続きについて詳細に解説されています。
https://partner.steamgames.com/doc/steamdeck/recommendations
ゲームのコントロールに関する対応方法や、Steamが提供するクラウドセーブへの対応、Steam Deckに対応した最新のSteamworks SDKによるSteam Deckからデータを取る方法について記されています。
Steam Deckのデバッグ手順も公開

ドキュメントでは、「Steam Deckit Management Tool」という専用のツールで、Steam Deckにゲームのビルドを送信したり、Steam Deck上で動作させているゲームのリモートデバッグを行う手順についても解説されています。サンプルでは、Unreal Engineを使ったゲームのデバッグについて解説されています。
公式Twitterアカウントを開設
Valveは先日、Steam Deckの公式アカウントを開設。ディベロッパー向けの情報発信があるかもしれません。