Unityがゲーム領域向けRuntime Feeを撤回、ProとEnterpriseは値上げへ
Unity Technologiesは、ゲームの発売後にエンジンの利用料金を徴収するシステム「Runtime Fee」を撤回しました。
Unity 6の発表と連動して、12 か月間の収益が 100 万ドル(約1億4,830万円)以上のゲームから収益の2.5%を徴収すると発表していましたが、これが根本からの見直しとなります。
https://unity.com/ja/blog/unity-is-canceling-the-runtime-fee
このたび、Unity のコミュニティやお客様、およびパートナーと数か月にもわたり協議を重ねた結果、ゲーム領域向け Runtime Fee を撤回することを決定いたしました。この決定は、本発表をもって直ちに適用されます。なお、ゲーム業界以外のお客様におきましては、変更による影響はございません。
UnityはこれまでもRuntime Feeについては対象となる費用や規模の修正などを行ってきましたが、それが白紙となった形です。
Unity ProとEnterpriseの月額費用は値上げに
残念ながら嬉しいニュースだけではなく、月額費用の値上げも発表されています。Unity Proは8% の価格引き上げ、Unity Enterpriseは25%の価格引き上げとなります。年間の総収益および調達金額が 20 万米ドルを超える開発者は、Unity Proが必須となります。
また、今回の発表の文章では「年間の総収益および調達金額が 2,500 万米ドルを超えるお客様につきましては、Unity Enterprise のご利用が必須となります。」という文言のみでゲーム産業かどうかの指定がないため、約35億塩規模以上の企業での利用はEnterprise必須のように読めます。
ただしUnity Personalにおいては、年内に予定されている Unity 6 のリリースをもって、Unity Personal で開発されたゲームでの「Made with Unity」スプラッシュスクリーンの非表示が可能となります。これによってUnity 6の強みであるモバイルブラウザ向けゲームでの活用が便利になりそうです。
発表以降、ゲーム開発者コミュニティから大きく反発を受け、CEOの交代まで発展したUnityのランタイムフィーに関する動きは一旦の収着をみることになりました。様々なゲームエンジンの選択肢がある中で、引き続きUnityを制作に活用していける道が広がったといえます。