サウンドミドルウェア「CRI ADX LE」がNintendo Switchにも対応、年商1,000万円以下の事業体による販売において無償利用が可能に
株式会社CRI・ミドルウェアは、インディーゲーム開発者向けに無償提供しているサウンドミドルウェア「CRI ADX LE」を、Nintendo Switchに対応することを発表しました。

CRI ADXとは
CRI ADXは、UnityやUnreal Engine、Godot C#、C++ネイティブ開発などの様々なゲーム開発環境で使用できる、サウンド機能SDKです。ゲーム開発で要求される多様なサウンド演出を手軽に実現でき、インタラクティブミュージックなどの厳密な制御を必要とするシステムもライブラリに同梱されています。

ADXはゲーム開発環境やゲームエンジンにインポートするライブラリのほか、ゲーム内での音の鳴り方(ランダムな再生やカテゴリごとの音量制御など)を専用ツール「Atom Craft」で設定し、ゲーム側のコーディング量を大きく減らすことができます。
エディションは2つあり、ゲーム開発会社等に有償で提供されている「CRI ADX」は各家庭用ゲーム機やブラウザ、モバイル、XRなどに対応しています。インディーゲーム開発者向けエディション「CRI ADX LE」は、販売主体の年商が1,000万円以下などの規約のもと無償で提供されています。機能はほとんど同一です。CRI ADX LEはこれまで対応プラットフォームを「Windows / mac / iOS / Android / WebGL」としていましたが、ここにNintendo Switchが加わる形です。
利用条件と活用シーン
CRI ADX LE for Nintendo Switchの詳細な利用条件は以下の通りです。
利用料金:以下を満たす場合無償
・前年度年商が1,000万円以下の会社、または団体・個人であること
・コンテンツの配信元が自身であること(販売権を自身で持っていること)
・コンテンツの売上が1,000万円以内であること(※1,000万円を超えた場合、
プロ向け有償版「CRI ADX」への移行が必要です)
提供方法:Nintendo Developer Portalからの申し込み
サウンドミドルウェア「CRI ADX LE」は、有償版である「CRI ADX」はLEとプロジェクトファイルの互換性があります。これまで、PCやスマホ向けにADX LEを使って開発したゲームをSwitch展開する場合には、CRIと有償契約(売上額 × 0.95 %)を結んでからADXにデータを移行し、開発を行う必要がありました。今回のADX LEのSwitch対応によって、以下のケースで無償での利用が可能です。
・前年度年商が1,000万円以下の個人事業主や法人がSwitch版を自社パブリッシングをする場合
・パブリッシャー契約が決まっていない段階で、ADX LEを使っているゲームをNintendo Switchの開発機材で動作させたい場合
CRI ADX LEのSwitch版は、インディーゲーム開発者が自ら販売を行う場合か、パブリッシャーが決まる前段階でSwitch版を開発する場合の2パターンにおいて活用が可能です。ADX LEを使っているゲームをパブリッシャー経由で販売する際、そのパブリッシャーの前年度年商が1000万円以上である場合は、これまで同様有償契約が必要です(これはSteamと同様です)。
任天堂の開発者向けwebサイトNintendo Developer Portalは、個人事業主でもアカウントの取得ができます。Switch情報へのアクセス申請Nintendo Switch Access Request を行い、申請が承認された場合に限り開発に関する情報にアクセスすることができます。パブリッシャーが決まっていない状況においてNintendo Switch版の開発を始めたいケースにおいて、ADX LEがそのまま使用できるようになります。
提供は10月を予定しており、Nintendo Developer Portalからの申し込みによってアクセスが可能となります。現在ADX LEを使ってPCゲームを開発している方で、Switch版の開発も予定されている方は、まずはintendo Developer Portalでのアカウント取得と申請を行い、準備をしておくことをお勧めします。
なお、CRI・ミドルウェアは2025年9月25日から開催される「東京ゲームショウ2025」において「SELECTED INDIE 80」に協賛しており、ビジネスデイではブース出展を行います(ホール9・ビジネスソリューションコーナー「09-W73」)。ゲーム開発においてやってみたいサウンド演出の相談や、音に関する悩みなどがありましたら、ぜひ話に行ってみてはいかがでしょうか。