令和8年度税制改正で「少額減価償却資産」の基準が40万円に引き上げへ。PCや開発用機材導入の負担軽減に期待

2025年12月19日、自民党税制調査会において承認された「令和8年度税制改正大綱」において、中小企業や個人事業主を対象とした「少額減価償却資産の損金算入の特例」が拡充される見通しとなりました。これまで長年「30万円未満」とされてきた即時償却の基準額が「40万円未満」へと引き上げられます。この改正は、近年の物価上昇や機材の高騰を踏まえたもので、特に高スペックな開発環境を必要とするインディーゲーム開発者にとって、設備投資のハードルを下げる重要な変更となります。

少額減価償却資産の特例とは

通常、10万円以上のPCや機材を購入した場合、その耐用年数(PCの場合は一般的に4年)に応じて数年に分けて経費計上(減価償却)する必要があります。しかし、青色申告を行う中小企業者や個人事業主であれば、一定の金額未満の資産について、購入した年度に一括で経費として計上できるのが「少額減価償却資産の特例」です。今回の改正案では、この基準額が現在の30万円未満から「40万円未満」へと引き上げられます。適用開始は令和8年(2026年)4月1日以後となる見込みです。

「強い経済」への決断と実行 令和8年度与党税制改正大綱を決定
https://www.jimin.jp/news/policy/212129.html

画像は経済産業省「令和8年度税制改正のポイント」より

なお、特例を受ける場合には、青色申告決算書にて少額減価償却資産として記載し、決算年度の特例適用金額の合計額などを記載する必要があります。詳しくは各地域の青色申告会や、会計ソフトの入力項目などをご確認ください。

開発者にとってのメリットと留意点

インディーゲーム開発において、PCスペックは作業効率に直結します。特に高度な3Dグラフィックスを必要とするゲームの場合、PCの価格が30万円を超えるケースはよくあります。これまでは「30万円の壁」を意識してスペックを抑えたり、数年かけて減価償却したりする必要がありましたが、基準が40万円に緩和されることで、より妥協のない機材選定が可能になります。また、一括で経費計上できることは、その年度の利益を圧縮し、キャッシュフローを改善する効果もあります。

今回の改正案には、いくつかの留意点があります。まず、本制度による即時償却の年間合計限度額(300万円)については、現時点では変更の記載はありません。複数のPCを一度に導入する場合は、合計額に注意が必要です。また、対象となる法人の要件が一部厳格化され従業員数が500人から400人となりましたが、インディーゲーム開発者にとっては影響はありません。

なお、本改正は令和8年度(2026年度)の税制改正に係るものであり、現時点では「大綱」の段階です。今後の国会での審議を経て正式に決定されるため、実際の運用にあたっては国税庁のウェブサイトを確認してください(現在は改正前のルールが記載されています)。

昨今PCは部材調達の都合による価格高騰が問題となっています。機材の買い替えを検討している開発者の皆様は、2026年4月の適用開始タイミングを念頭に、今後の設備投資計画を立ててみてはいかがでしょうか。

自民党「令和8年度与党税制改正大綱」はこちら

経済産業省「令和8年度税制改正のポイント」はこちら

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