Unity 6.3ではサウンド機能が久々の強化、「Scriptable Audio Pipeline」「Enhanced Audio Foundation」が追加へ

https://discussions.unity.com/t/audio-status-update-q3-2025/1681867

Unityのオーディオチームから、待望のUnity 6.3におけるサウンド機能の進化が発表されました。これまでブラックボックスと評されることの多かったUnityの標準サウンド機能が大きく変化します。安定性とパフォーマンスの向上に加えて、「Scriptable Audio Pipeline」「Enhanced Audio Foundation」が追加されます。

Scriptable Audio Pipeline

Unity 6.3で導入される「Scriptable Audio Pipeline」は、C#で書かれた「Scriptable Processor」を使用してオーディオ信号処理を拡張するフレームワークです。この新機能は、従来のOnAudioFilterReadやNativeAudioPlugin SDKで賄われていた部分を置き換え、開発しやすくなります。「Scriptable Generator」というAudio Source上でプロシージャルオーディオが生成可能になる機能の他、「Scriptable Root Output」では信号処理の最終段階でコールバックを読んだり、マルチスレッド処理をサポートし、他のオーディオミドルウェアとのリソース共有が容易になります。かつてUnityのサウンド機能で開発されていた「DSP Audio」と異なり、従来のAudio Sourceと併用して利用できるそうです。

ただし、これらの昨日は現時点ではWebGLでの動作がサポートされておらず、C#による信号処理のパフォーマンスへの影響も未知数です。特に、複雑な処理を多用する場合、開発者はパフォーマンスの最適化に注意が必要かもしれません。

Enhanced Audio Foundation(EAF)でハードウェア対応を強化

もうひとつの目玉機能である「Enhanced Audio Foundation(EAF)」は、物理的なオーディオデバイスの管理システムです。デバイス切り替え時の安定性向上や高品質なサンプルレート変換を実現し、WindowsとmacOSで利用可能ですが、他のプラットフォームは今後の予定で、モバイルや家庭用ゲームでは対応していません。EAFはプロジェクト設定で有効化でき、複数のオーディオデバイスを独立して扱う柔軟性も提供します。

Unityサウンド機能の今後の新機能予定

Unity 6.3以降では、Audio ClipをScriptable Generatorとして実装する計画や、DSPエフェクトを統一的に作成する「Scriptable Effect」の導入が予定されています。しかし、現在のAPIドキュメントは初期段とのことです。また、C#での信号処理はパフォーマンスチューニングに課題を感じます。Unityのサウンド機能開発チームは、開発者からのフィードバックを求めているそうです。Scriptable Processorを使ったプロジェクトのアイデアや、気になる点、機能リクエストはUnity Discussionsで積極的に共有してほしいとのことです。日本の開発者から課題として挙げられる「イントロ付きループ再生ができない」などについても、ピックアップされるチャンスかもしれません。これを機会に意見を送ってみてはいかがでしょうか。

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igjd

IndieGamesJp.dev Moderator

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