Steam Frameでの動作状況を表すVerifiedプログラムは、非VRを含む「全てのゲーム」に向けて実施。Arm版Steam OSでの動作状況がテスト対象に追加へ

Valveは2026年にヘッドマウントディスプレイ「Steam Frame」と、10年ぶりの再登場となる「Steam Machine」を発売します。
このうち、Steam Machineはx86アーキテクチャのAMD Zen 4 CPU、カスタムAMD RDNA3 GPUを搭載し、Steam Deckの延長線上となるハードウェアです。変わってSteam FrameはArmアーキテクチャのSnapdragon 8 Gen 3を搭載していますが、Webサイトの説明によれば「Steamライブラリの全てのコンテンツに対応」「スタンドアロンプレイもサポート」するとしています。すなわち、Arm上で動くLinuxビルドのゲームか、もしくはWindowsビルドのゲームについてArm上のエミュレーションレイヤーでの動作に対応する必要があると考えられます。

Steam DeckはArch-LinuxベースのSteam OSを搭載し、Windowsアプリの動作についてはエミュレーションレイヤーである「Proton」を介して実現しています。1年ほど前、ValveがArm CPUにおけるWindowsアプリケーションの実行環境Proton-Armをテスト中であることが判明しました。Linux上でAndroidアプリを動作させるWaydroidと、ARM64システム上でPCゲームを動かすFEX-Emuをベースとしています。この動きが、Steam FrameでのPCゲーム動作に繋がったようです。
ゲームのSteam Frame対応をチェックする「Verifiedプログラム」が実施予定
https://store.steampowered.com/news/group/4145017/view/563639634283728254?l=japanese
開発者の皆さんへの影響について
VerifiedプログラムにSteam MachineとSteam Frameが追加される予定です。その仕組みについての詳細は、近日中にお知らせします。 これは、Steam DeckのVerifiedプログラムと同様に、開発者側の作業を最小限に抑えることが目標です。 なお、すでにSteam Deckで確認済みのゲームは、自動的にSteam Machineでも確認済みになります。
Steam Frameに関しては、できるだけ多くのSteamゲームが、ストリーミングなのかスタンドアロンでの使用なのかを問わず、素晴らしい体験を実現できるようにしたいと考えています。 そこで、Steam Frame開発者キットプログラムを開始しました。Steam Frame開発者キットは、Steamworksダッシュボードからリクエストできます。 数量に限りがありますが、キットの発送は継続的に行っていく予定です。
Steam開発者向けページでは、Steam Deck同様に「ハードウェア配布リクエスト」からSteam Frame開発キットをリクエストできますが、その数量はかなり限られたものになりそうです。
ウェブサイトでは「ストリーミングプレイ」の記述もあることから、Steam Frameへの対応が必須になることはなさそうですが、「非対応」の表示がされるとなると開発者としては穏やかではありません。Steam Deckの登場時は、PCにArch LinuxとエミュレーションレイヤーのProtonをインストールすれば、擬似的な動作環境を再現でき、ハードウェアをまだ入手していないディベロッパーでもある程度の動作確認ができました。そのためSteam Frameが搭載するArm版Steam OSにおいても、たとえばSnapdragonシリーズを搭載したスマートフォン等で似たようなテスト環境が手に入ることが望ましいと考えます。





