CRIWAREが料金体系を改定、小規模タイトルが利用しやすい形に
ゲーム開発向け統合型サウンドミドルウェア「CRI ADX2」やムービー再生ライブラリ「Sofdec2」を提供する株式会社CRI・ミドルウェアが、同社ツールの利用料金の刷新を発表しました。
詳細な料金体系は、次のURLにて詳しく紹介されています。
パッケージ販売時の「3万本分の前払い」が廃止。「限定パッケージ版」を作るインディーにメリット
ゲームをダウンロード販売する場合、CRI ADX2の利用料金はゲーム売上×0.95%です(CRIのロゴを表示した場合)。
販売価格ではなく、「ゲーム販売ストアの手数料を除いて振り込まれた金額」の0.95%になっています。仮にストア手数料が3割だったとして、1,000円のゲームを3,000本売った場合は1000× 0.7×3000で売上が210万円となり、使用料は19,950円になる計算です。
ディスク等のメディアでパッケージ版を販売した場合は、販売本数×25円となります。以前の料金体系では、パッケージ版の販売において前払い金として75万円が必要でした。これは「ミニマムギャランティー」というもので、使用料の3万本分を事前に支払い、発売後に3万本分までは追加費用が発生しない、というモデルでした。この前払いが今回、撤廃となった形です。
近年は、ダウンロード版を販売の中心としつつ「リミテッドエディション」などで1,000本から3,000本限定のパッケージ版販売をするビジネスもよく見るようになりました(筆者も自作を1,000本限定のPS Vita版パッケージを作ったりしています)。今回の改定により、こうしたケースへの適用がやりやすくなりました。
インディー向けには継続して無料の「ADX2 LE」を提供
CRI社は2014年から、無償版サウンドミドルウェア「ADX2 LE」を配信しています。個人・法人に関わらず、売り上げが1,000万円以下のクリエイターであれば無償で利用とゲームの販売が可能です。
Windows/macOS/iOS/Androidのプラットフォームに対応しているため、ほとんどのインディークリエイターは利用可能です。PCやスマホで発売したゲームにADX2 LEを使っていた場合、PS4やNintendo Swtichなどへの進出をするタイミングで、有償版「ADX2」に移行することとしています。
様々な販売ケースへの対応を進めるCRIWARE
CRI社は前月にも、「知育・教育アプリ向け料金体系」を発表していました。知育・教育系はマーケット特質上大きな収益を上げにくく、特別枠として低価格プランが用意された形です。ゲームビジネスは日々多様化し、収益の規模も、その売り上げスタイルもどんどん新しくなっています。そんな中でも現場の開発者には、サウンド・ムービーの技術を変わらず提供していくCRIWARE。法人の場合は、全製品の試用が無償で可能です。インディーゲームクリエイターは、ADX2 LEからゲームサウンドのクオリティアップにぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。