開発中ゲームのオンライン試遊展示が可能になるツール「NORA」ベータ版が一般公開
「Nora」は、ゲームの体験プレイをブラウザを介して配信できるツールキットです。開発者のPCで動作しているゲームをウェブ経由でプレイヤー側のブラウザと接続し、手軽に体験してもらうことができます。「Steam LINK」や「Parsec」などのプライベートクラウドゲーミング的な仕組みに、ゲーム開発者向けの展示会的側面のシステムを融合させたサービスです。
ゲーム開発者は、手元のPCでゲームを起動し、ストリーミング配信の形でプレイヤー向けに試遊をさせることができます。プレイヤーはブラウザ上でゲームを遊ぶことができ、また順番待ち等の仕組みもあります。2021年3月にベータテストが行われましたが、今回一般公開となりました。ゲーム開発者であればだれでも同サービスを試すことができます。
本紙前回の「NORA」紹介記事:
インディーゲームの展示では、自宅からPCを持ち込んで展示を行い、来場者にコントローラーを渡してその場で遊んでもらう…というのが定石でした。また、遊んでいる様子を見たり、説明を加えたりといったことで、フィードバックを得ることも重要な機能でした。
しかしながら新型コロナウイルス影響下において、オンライン展示会でゲームを遊んでもらおうと思った場合は「体験版の配布」という手段になることがほとんどでした。単独で安定動作する体験版を別途制作しなくてはならない時間的コスト(説明なしで遊べるようにチュートリアルも作らなくてはなりません)、プレイヤーが試遊中に開発者がそのプレイ中の反応を確認できないこと、そして「体験版のダウンロード・インストール」がゲームプレイヤー側の大きな負担になってしまうことなど、さまざまなデメリットがありました。
一部、クラウドゲームで展示を実施しようとしたこともあった様子ですが、開発者にその対応コストが必要になってしまい、あまり解決には至っていませんでした。そんな中で登場した「NORA」は、これらのゲーム開発者の悩みを一手に解決するシステムと言えます。
システム要件は以下の通りです。
Windows 10 バージョン 2004 以降を搭載したPC
展示を行うゲームがXbox Controller (XInput)による操作に対応していること
安定したインターネット回線
https://noraplay.com/guide/exhibitor
なお、開発のるっちょ氏は「Noraはまだ発展途上であるため、環境によってうまく動かなかったり、バグがあるかもしれません。NoraのDiscordサーバーでは質問やバグ報告等を受け付けています!お気軽にご参加ください。」と呼び掛けています。