3人のインディーゲーム開発者が登壇した「UEインディーゲームクリエイター座談会 in UEFEST」 レポート

■UE4を選んだ理由

UEFESTですので、まずはエンジン選択の質問から。善乃さんは最初はVR開発のためだったといいます。VR初期の頃だったので他のエンジンも見ていたが、UE4の操作感が良かったので開発を進めたのだそうです。

nocrasさんの場合は、3Dデザインが本業でプログラムの経験がなかったが、UE4でグレイマンと自分のキャラを入れ替えたらゲームができるとわかったため、そこから本腰を入れて開発をはじめたのだそうです。また、世の中的にも個人でUE4を触ってSteamで販売する流れが来ており、自分も乗っていこうと思ったのだそうです。


Nakamichiさんの場合は、UE4のFPSテンプレートを触ったことが大きなきっかけだったといいます。テンプレートを改変することで「ゲームが動いた!」という喜びが大きく、友達に見せたりしながら、そのままUE4を使っていったとのことでした。とくに、ブループリントの良さに感動したそうです。

■UE4・5を使う上で絶対に学んだほうがいい技術とは?


この質問について善乃さんは、「エンプティのレベルを作っても完全に空ではなく、デフォルトのゲームモードやプレイヤーコントロールが用意されている」ことを紹介。基本の構成要素を理解することやティックなど処理の流れを理解しているとよいとお話しされました。


nocrasさんはより深いエンジンの機能の話として、「アセットを右クリックした時に、アセットアクションからこのアクションを選択しているアクタを選択を押すと、レイアウトをレベルに配置されたアセットを全て選択できる」というテクニックを紹介。これはレベルデザインに役立ち、アセットブラウス、参照ビューアなどとも併用しているとのこと。


Nakamichiさんも同様に機能として「イベントディスパッチャー」の理解をとくにおすすめしていました。以前はこの機能で変数を送れることを知らなかったり、あまり理解していなかったために開発に手間ができてしまったが、いまはかなり楽に作れるようになったといいます。

■外注やマケプレなどのアセットは、何割ほど使用しているのか?

Unreal Engineでもつかえる3DCGや音楽などの素材が販売されているマーケットプレイス。小規模なゲーム開発スタジオの場合はこれらを活用してゲームを作っていくケースが多いです。

しかしながら善乃さんは、「アセットは使っていない」とのことです。外注として声優さんに声をお願いしているが、それ以外は自作しているとのことでした。そのうえで、現在開発している新作ではアセットを使う予定なのだそうです。

Unreal Engineならではの話として、現実の物体をスキャンして利用できる「メガスキャン」も活用しようと考えているそうです、テクスチャもリアルなものは自分で作るのは厳しく、こうしたツールの併用が良いそうです。

nocrasさんもまた、本人のゲームのコンセプトが「見た目重視」で、自分の絵の世界観を表現したいというコンセプトだったため、モデリングなどは9割自分で用意したとのことでした。そのかわり、エフェクトやアニメーションはアセットを購入したり、それらを改造して使っているそうです。ブループリントもあまり得意ではなかったため、システム制御系のものを3割くらいアセットで買って利用しているそうです。また、BGMに関しては外部の作曲家の方に依頼したとのことでした。


Nakamichiさんはほかの2人とは対照的で、ゲームシステムから制作を始めるため、その段階ではマーケットプレイスの素材を使って構成しているとのことでした。アセットで作品を構成したうえで注意すべき点は、ゲームのパブリッシャーやコンテスト主催者に見せる際には、ちゃんと「購入した素材を使っている」ということを伝えたうえでゲームシステムを見てほしいと説明することなのだそうです。そして現在は「講談社ゲームクリエイターズラボ」に通過し、獲得した資金で主人公キャラクターのCGを外部に依頼して入れ替えたとのことでした。

それより前は、自分でキャラクターの人型を作るのが難しかったため、「缶に手足を生やす」というアイディアで乗り切ったそうです。ステージなども素材は使っているものの、ゲームを象徴するオブジェクトなどはオリジナルにしているとのことでした。全体の比率でいうと3割くらいがアセットなのだそうです。

HATA

5歳の頃、実家喫茶店のテーブル筐体に触れたのを皮切りにゲームライフが始まる。2000年代に個人でノベルゲーム開発をスタートし、異業種からゲーム業界に。インディーゲーム開発をしながらゲームメディアで記事執筆なども行う。

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