3人のインディーゲーム開発者が登壇した「UEインディーゲームクリエイター座談会 in UEFEST」 レポート

■ネットワーク対応 オススメの機能や作り方

Nakamichiさんが開発しているゲームはオンライン対戦要素があります。UEでつくる場合、アニメーションを再生するときにエフェクトやサウンドを出す命令の同期がスキップされ、うまく再生されないことがあったそうです。これに一年くらい解決策が出てこなかったすなのですが、自分でアニメーション管理機能の継承クラスを作ってフラグ管理を行うことで、再生がされない状況を回避したそうです。それでもフレームのズレは起こってしまっているそうです。

おすすめの作り方は、Steamでマルチプレイのゲームを作るためのプラグインの導入だそうです。UE4のフォーラムにある”Advanced Sessions“というフリーのプラグインを使うと、Steamを介したマルチプレイが可能になるそうです。Steamのフレンド機能との連携やボイスチャットなどもカバーしており、導入をお勧めしていました。

■講談社ゲームクリエイターズラボについて


今回の登壇者の中では、Nakamichiさんがゲーム販売型のコンテスト「講談社ゲームクリエイターズラボ」に採択されています。Nakamichiさん曰く、その名の通り「ラボ」という雰囲気のスタイルで実施されているとのことでした。堅苦しくない雰囲気で、プロジェクトや販売について講談社の方がサポートしてくれるのだそうです。

たとえば、e-sports大会での利用を踏まえて対戦ゲームを作っていくなかで、「大会運営をしている人に聞きたいことがある」と相談したところ、ラボの担当者が分かる人を紹介してくれたのだそうです。漫画出版社ならではのエピソードとしては、Nakamichiさんが「キャラクターに個性を出したい」と相談したところ、漫画家を連れてきてくれたとのことです(『FAMILY BATTLE タッグアリーナ』は、漫画家の藤村緋二氏がメインビジュアルを担当しています)。ゲームをパブリッシングするだけではなく、同社の持つキャラクタービジネスの知見を大いに活用できるところが強みといえるでしょう。


一時間にわたり、3人のインディーゲームクリエイターと、Epicの人がゲーム開発について語り合う「UEインディーゲームクリエイター座談会」では、開発者たちのリアルな意見に説得力がありました。なかでも一番印象に残った言葉は、Nakamichiさんの「ゲームができた!という感動から(ゲーム開発に)入ってほしい」という言葉でした。この講演が多くの人にとってゲーム制作を楽しむきっかけになったのではと思います。

HATA

5歳の頃、実家喫茶店のテーブル筐体に触れたのを皮切りにゲームライフが始まる。2000年代に個人でノベルゲーム開発をスタートし、異業種からゲーム業界に。インディーゲーム開発をしながらゲームメディアで記事執筆なども行う。

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