インディーゲーム展示会「Indie Games Connect 2022」”開発者向け”レポート

2022年6月26日(日)、コナミクリエイティブセンター銀座 2階 esports 銀座 studioにて、「Indie Games Connect 2022」が開催されました。

https://www.konami.com/games/event/igc/

「IGC2022」は「自分の作品を、より多くの人に楽しんでもらいたい」という思いから、株式会社コナミデジタルエンタテインメント主催、銀座Unityもくもく会の協力により、今年からスタートしたインディーゲーム展示イベントです。

様々な点で他とは異なる特徴があったイベント

昨今はありがたいことに数多くのインディーゲーム展示イベントがあります。そんな中で本イベントは「出展無料」「一般参加無料」という大盤振る舞いが大きな特徴です。

ゲームイベントの出店経験が豊富なKONAMI社の主催によって、多くの注意書きパネルや手慣れたスタッフやメディア対応が快適な運営を実現していました。また、会場には普段e-Sports用に使用されている巨大な画面を備えており、同社のゲームソフトをプレゼントするアンケート企画などがありました。

入り口正面に置かれる注意喚起パネル

コロナ禍に関連した対策として、一般来場者に対しては荷物検査を行い、出展者ともにネックストラップの刑事の義務付けと、巡回スタッフやパネル設置による「撮影不可」の周知徹底がされていました。

展示者はブース撮影OKについて個別に表示が可能となっていました。人物に対しては3種類のネックストラップによる区別(取材OK撮影OK・取材OK撮影NG・取材NG撮影NG)があり、これは展示側としても取材側としてもありがたい試みだと感じました。

高い注目度と会場内の様子

半面、現在の状況化ではしかたがないことですが、海外メディアの姿はほとんどありませんでした。それとは逆に、銀座という立地と日曜開催、入場無料という条件があってか、小さなお子様連れの親子が見受けられました。

広めの会場にも関わらず開場後ほどなくして満員となり、13時少し前の時点でも20人前後の入場待機列がありました。入場制限を敷いていたため、多少の混雑はあれど特に混乱はなかった様子です。

大手ゲーム会社の主催ということで、同社のメディア対応部署が手配したであろうテレビの取材も来ており、本格的な撮影機材を用いた取材を行うメディアも複数来ていました。

ちなみに本イベントでは合同出展について規約では禁止されていないようですが、出展料の負担がないためか、合同を行っているブースはなかったようです。サポーターブースの「銀座 Unity もくもく会」と「講談社ゲームクリエイターズラボ」は、2~3作品の同時展示を行っていました。

セミナーの実施も、会期中の開催は出展者への負担の可能性

開発者向けのセミナーが併催されていたことも特徴のひとつです。事前応募制のゲーム開発者向けセミナーと、出展者向けの相談会が開かれていました。ただし、出展者が参加しようとした場合は、必然的に自ブースから離れる必要があります。盛況のなかでブースを離れなくてはならないため、やや参加に負担があるように思えました。

会場と出展者それぞれの感染症対策

新型コロナウイルス感染症対策については、一時期よりも新規感染者数が減ってきたとはいえ、しっかり行われていました。会場内の食事禁止、出入り口の消毒液設置、入場時の検温、マスク着用が対策としてなされていました。

出入り口に置かれた消毒液

しかしながら、各出展ブースにおける感染症対策の周知があまり強くされなかった様子であり、たとえばコントローラーなどデバイスの除菌について対策されていないブースもありました。出展慣れしているであろう一部ブースを除き、除菌シートなどを準備していないところがあったようです。逆に、透明シートやアクリル板での仕切りのような、大掛かりなものを用意しているブースはありませんでした。

各出展ブースの展示の工夫

出展無料の影響か、展示に凝っているブースが多かったように感じました。

Warming AppのMiniatureLANDは手作りミニチュアを利用した脱出ゲームですが、ブースにジオラマを設置。作品の特徴の説明と目を引くを効果を両立していました。大型なこともあり、目を引くディスプレイになっていました。

展示の工夫として、コンテストやアワードの受賞歴を活用しているチームも見ました。「〇〇アワード受賞」「〇〇でレビュー何点」といった文言を活用するやり方は海外作品ではよく見ましたが、国内でも多くみられるようになりました。こうしたアワードの活用は作品のクオリティーの期待値を高めるほか、パブリッシャーやメディアなどのアピールに有効です。積極的な利用がおすすめです。

こちらはニコニコ自作ゲームフェス新人賞2020 Unityスタークリエイター賞厦門国際アニメマンガフェスティバル2020 ゲームコンテスト 最優秀ゲームプラン賞などを受賞した、Chemical PuddingのFILMECHANISM。配布のチラシに受賞歴を入れていました。

こちらはゲームクリエーター甲子園2020でユーザー大賞、ファーストインパクト賞を受賞したSnymのPREDATOR AND WREAK。賞状の展示を行っていました。

展示の工夫としては、Nao GamesのNinja or Dieは「操作説明」をパネル印刷していました。紙と比べてしっかりして折り曲がったりしないため、キーボードのカバーや、足をつけての立体的なPOPとしても機能しそうです。日英両方用意されているところも工夫として光っていました。

参加無料・入場無料イベントはどのような影響となるか

「Indie Games Connect 2022」は、KONAMIという大型パブリッシャーの出資のもと、アクセスがよい場所でスタッフが充実しつつも「無料」という大きなインパクトがありました。イベントが多くある昨今ですが、参加者や出展者にどのような影響が出るか、動向に注目です。

Indie Games Connect 2022公式サイトはこちら

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