Steamでの販売申請に「マイナンバー」が使用可能と正式回答。米国納税者番号(EIN)の取得は不要に
以前、弊誌ではSteamでの販売社登録に必要な米国納税者番号「EIN」の取得に挑戦した開発者のブログ記事を紹介しました。
Steamは米国企業であり、ゲームの売り上げには源泉徴収が30%課税されますが、そのままでは日本側にも売り上げに対して所得税が発生してしまい、二重の課税となってしまいます。しかし、日本アメリカ間の条約により、この源泉徴収を行わない申請が可能です。
その申請は「Form W-8BEN」と呼ばれ、納税者番号(Taxpayer ID Number)を記入する必要があるのですが、米国の納税者番号である「EIN(Employer Identification Number)」の取得は英語での郵送もしくはFAXか電話での対応が必要であり、ハードルが高い…というものでした。
しかし記事公開後、このTINについて「マイナンバーでも代替できる」という情報が弊誌に多く寄せられました。SteamWorksのFAQではマイナンバーの利用に関する記述が無く、開発者が公開しているブログ等ではマイナンバーの可否について両論があり、確たる情報がありませんでした。そこで、弊誌の運営会社からValveへ直接問い合わせを行ったところ、「マイナンバーは納税番号として利用可能である」という正式な回答をいただきました。
(本件はValveサポート担当者に公開の許可を受けた上で記事を作成しています。)
法人については、日本の法人番号を入力する形になります。
TINは米国のシステムのことではなく、「各国の納税者番号」という意味
TIN欄については「ベネズエラを除く各国の納税者番号に対応している」との説明で、TINが米国のシステムを指しているのではなく各国の納税者番号である、ということが分かりました。また、必ずしもマイナンバーで解決されるというものでもないようです(this was not always the case)。
これは、あくまでValveにおける納税者番号の扱いです。たとえば、Amazon Kindleではマイナンバーが使用できないことが判明しています。米国のサービスで全てマイナンバーが使えるというわけではありません。
弊誌からはValveサポートに対し、Steam Works FAQの日本語訳にマイナンバーが利用可能と補足を入れてもらうようリクエストを送りました。次回更新時に検討いただけるとのことで、近日記述が加わるかもしれません。
一時期は不明だったSteamの登録ですが、ようやく情報が定まりました。Steamでストア登録の審査は1か月ほどかかることがありますので、ゲーム販売を検討している方は早めに申請をしておきましょう。