[ブログ記事紹介]Steamでセルフパブリッシングをする際の落とし穴と注意すべきポイント
世界最大のPCゲームプラットフォームであるSteam。クリエイターにとって、ここでは大きなパブリッシャーと契約せずに、自分でそのままストア登録して自作を販売することもできる “セルフパブリッシング”ができることも大きな魅力でしょう。
しかし、そんなセルフパブリッシングも簡単ではない……ということを伝える記事が上がっています。
同人ゲームサークル「エンドレスシラフ」のnicolai氏がまとめた「Steamworksの落とし穴まとめ ~Steamでゲームをパブリッシングしたいやつは全員読め~」では、Steam独自の仕様により、いくつかの点で戸惑いやすいポイントが指摘されています。とりわけSteamでゲームをリリースしたことがない開発者にとって、必読の内容だと言えるでしょう。
パブリッシングした実体験から、説得力のある落とし穴の指摘
本記事では、主にSteamworksを利用した時に起こる落とし穴についてまとめています。
Steamworksとは、Steamの開発者用サービス群のことです。公式でも日本語で使い方がまとめられているなど、セルフパブリッシングにあたっては役に立つ情報が固まっているように見えます。
しかし本記事では、公式のドキュメントでもわからない、実際にリリースしたからこその躓くポイントが並んでいるのです。
たとえば「ガイドラインに違反していないかどうかのチェックリストを完了しているのに、ダッシュボード上では未完成扱いになっている」といった問題や、「ストアページのリリース可能日とリリース可能状況の仕様が一致していない」という表示のバグの問題などなどが指摘されており、どれも初めてゲームをリリースするようなクリエイターが困惑してしまうものでしょう。
さらに本記事では、DLCをリリースする際の落とし穴についても指摘していきます。「DLCは本編のディレクトリに『上書き』される」ため、DLCのリソースファイル名を変えるなどの対処法が書かれるほかに、多くのタイトルも採用しているサウンドトラックDLCも「『DLC』と『サウンドトラックDLC』は全然別の概念」であることをまとめています。
さらに冷や冷やさせられるのは「価格を変更したい場合に『価格提出ボタン』を押すと再レビューが入る」という指摘でしょう。Steamではリリースからしばらく経った後、セールとは別にストアの価格を変更することはしばしばあることですが、ここではそんな変更が罠になってしまっていることを指摘しています。
というのも、世界各国においてどの価格で販売するのかの調整が入るために、価格変更の際にレビューを依頼する「価格提出」が入るそうなのですが、レビューには1~2日を要し、そののちに「価格適応ボタン」を押してストアへ価格を反映させることで完了するといいます。
記事では、そんな「価格適応ボタン」が画面のわかりづらい位置にあり、代わりにわかりやすい位置に「価格提出ボタン」(名前までわかりやすいですね)があるため、さらなるミスへ繋がりやすいそうです。まちがって「価格提出」をクリックしてしまうと、なんとまた1日か2日かけてレビューを依頼することになってしまうという、がっくりさせられることになってしまうそうなのです。
Steamへのリリースには、知識と時間を持って
nicolai氏は、「多分そのうち直るものもあるんじゃないかと思いつつも、全く油断ならないのがSteamworksです」と記事をまとめています。確かに、表示の問題や誤クリックを発生させやすいUIの問題など、直してもらいたい部分がいくつもあるのがわかるでしょう。
Steamへのパブリッシングには、こうした情報も見たうえで、時間を持って対応していくことが重要だといえるでしょう。すでにSteamリリースを果たした経験者であっても、あらためてチェックする価値のある記事となっています。
価格変更の辺りのパラグラフが少しおかしくありませんか?
本記事を執筆した葛西です。ご指摘ありがとうございます。
修正を施しました。