ピクセルアート風アニメーションの作成を強力に進化させる「PixelOver」
PixelOverはGodot Engineを使用して開発された、ピクセルアート風の表現に特化したアニメーション作成ソフトです。
画像から素早くピクセルアート風に変換することができ、2Dボーンベースのタイムラインアニメーション作成機能やアニメーショントレイルなどの機能を備えたバージョン0.6が公開されました。
ピクセルアートのアニメーション作成は、必要なコマを作成するために多くの時間を使うことになります。
一方、量産向きなボーンベースのパーツアニメーションは、画像を回転・拡大・縮小することでピクセルアート風の表現が崩れてしまうことが課題でした。
PixelOverはそのどちらの課題も解決するソフトです。
どんな画像もシェーダーを適用することでピクセルアート風画像に変換することができます。
シェーダーは、輝度やコントラスト・彩度・ガンマ値の調整などの画像加工機能に加え、アウトラインやインライン・ディザの調整などのピクセルアート風画像として必要な見た目のカスタマイズを行うことができます。
最も強力なのは、パレットを編集することが出来る点です。
パレットは、ピクセルアート風画像に変換する際に、自動的に画像から抽出された色を、指定の色数で管理します。
また、それぞれに割り当てられた色を変更することも可能です。
プロパティはすべてキーフレームとしてタイムラインに挿入できるため、時間経過でパレットを差し替えたり、カラー補正値を変化させたりすることができます。
アニメーションは複数作成することができ、アニメーション毎にタイムラインを持っています。
各プロパティのキーを打っていくことで、手軽にアニメーションを作成することができます。
シーン管理では、各ノードを入れ子にしていくことで、ボーンをセットアップし、それらに追従する画像を設定していく作りになります。
Canvasノードは出力画像のサイズを設定することができ、Canvasノードの子ノードとしてボーンのセットアップや背景画像を設定することができます。
作成したアニメーションは連番画像またはスプライトシートのPNGファイルとして出力することができます。
様々なゲームエンジンで利用しやすい形式になっているので、すぐに自分のゲームにピクセルアート風画像を組み込むことができます。
筆者が実際に使ってみて、アニメーションの制作時間が短縮され、クオリティが統一されていくことに感動しました。
反面、あくまでも自動的に生成された画像であるため、個性のあるドット絵を表現するのは難しいです。
基本的な操作や概念はGodot EngineのUIを基準としているので、操作方法はかなり近いものになっています。
ピクセルアート風画像の変換は、背景画像の多いRPGなどにも利用できますし、RPGのモンスターを動かすだけでもリッチな表現になるでしょう。
アクションゲームなどコマ数の多いキャラクターをボーンアニメーションで量産するのにも利用できますし、使い方次第で幅広いピクセルアート風のゲームで利用できます。
Windows、Mac、Linuxに対応した無料体験版も配布されていますので是非ダウンロードして試してみてください。