Androidの音声再生遅延を低減する「SonicSYNC」がインディー向け製品「CRI ADX LE」に搭載、一定条件下で無償利用が可能
8月3日から開催されている「CRI CREATORS CONFERENCE 2021」にて、同社の新技術SonicSYNCが無償版サウンドミドルウェア「CRI ADX LE」に搭載され、本日から配信を開始したことが発表されました。
音声再生にかかるまでの遅延は、ゲームエンジンの標準機能や他社製品から大幅に短縮。「タップしてすぐ音が鳴る」体験を幅広いゲームに適用できます。
低遅延再生技術を提供していたCRIがさらに「加速」
「SonicSYNC(ソニックシンク)」は、スマートフォン向けの超低遅延再生技術です。
ゲーム機やスマートフォンなど、プレイヤーの入力によって何らかのデバイスで音を再生する場合、スピーカーから音が出るまでは遅延が発生します。特にAndroidの場合、端末によってはこの遅延が0.3秒ほどもかかる場合があり、音ゲーの開発などにおいては大きなハードルとなっていました。
CRIが提供する「CRI ADX」では、以前からこの問題に取り組み、「低遅延再生モード」を数年前から提供。数多くの音ゲー、スマートフォンゲームに採用されています。今回、その同社の技術がさらに進化し、性能向上となりました。
SonicSYNCの技術的な紹介については、下記の記事をご覧ください。
SonicSYNCの機能が体験できるゲームアプリがAppStore、Google Playで配信中です。
AppStore
https://apps.apple.com/jp/app/sonicsync-gallery/id1576495789
GooglePlay
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.criware.sonicsyncgallery
インディー開発者の利用も広がる「CRI ADX LE」
当サイト運営の株式会社ヘッドハイでは、インディーゲーム開発者から「CRI ADX LE」の利用事例をヒアリングするインタビューシリーズをCRI社と共同で行っています。
ADX2 LEユーザーインタビュー
https://criware.info/category/adx2-le
サウンド演出の強化や負荷軽減にどのような活用をされているかについては、ぜひシリーズ記事をご覧ください。
「CRI ADX LE」は家庭用ゲーム機向けに対応していませんが、PCやスマートフォンでLEを使用していた場合、家庭用ゲーム機への移植時にADXに移行となります。
法人格が必要な製品版「ADX」ですが、家庭用版を出す際は個人であってもパブリッシャーがいれば利用が可能です。
「CRI ADX LE」の利用には、ゲーム販売ストア上での権利表記や、ライセンスファイルの同梱などの利用条件があります。
また、利用対象者の条件は次の通りです。
下記条件をすべて満たす場合のみ、ADX LEを使用したコンテンツをライセンス許諾料無償で配信することができます。
https://game.criware.jp/products/adx-le/#copyright
・前年度年商が1,000万円以下の会社、または団体・個人であること
・コンテンツの配信元が自身であること(販売権を自身で持っていること)
・コンテンツの売上が1,000万円以内であること ※1,000万円を超えた場合は、「ADX」に移行いただきます。
この条件を超える法人は、製品版「ADX」の対象となりますが、機能テストの試用は無期限で行うことができます。
「CRI ADX LE」では、Unity向けプラグインが先行して公開中。UE4版は企業向け製品版「CRI ADX」で提供されており、今後、無償版にも展開されると思われます。