デジゲー博2022レポート・10年目を迎えた今回の活況について

今年は秋から冬に差し掛かっても暑い日が少なくありませんでした。とはいえ、さすがに11月ともなれば寒く「重ね着をしたほうがいいな」と思ってデジゲー博2022の取材に向かっていました。ところが会場の秋葉原UDXに到着すると様子が違います。蒸し暑い。来場客で溢れかえっていたからです。今年もコロナ対策として会場のドアが開け放たれているにも関わらず、温度が逃げていない。たくさんの客はみんな様々なゲームを遊んでいる。例年以上の熱量の高さを感じました。上着を脱いで取材を続けながら、「この活況はオンライン・オフラインも含めた新興のインディーゲームイベントの影響か、または実地開催のイベントをファンが求めていたからか?」 と思っていました。

デジゲー博が始まってから今年で10年目を迎えます。節目となる今回のデジゲー博2022が開催されるまでに、今年は他に新興のインディーゲームイベントも少なくなく登場しました。今回の活況を観ながら、イベントの増加によって、客層が拡大する影響についても考えさせられました。

活気のある会場には、なんと長蛇の列を作るスペースも出現。

基本は例年と変わらず、デジゲー博らしい “自主制作ゲーム”の自由さや良さを感じられるものです。が、筆者が会場を歩いていると、これまでのデジゲー博では見たことがないような光景が出来上がっているのを見つけました。

それが『MINDHACK』でののスペースに列が出来上がっていたことです。まだ開発中のADVゲームに長い待機列ができていたのは、デジゲー博を取材していてほぼ初めて観ました。

詳しい状況は筆者の他紙でのレポートを見ていただくして、『MINDHACK』開発の代表であるホでヴ氏にお話をうかがうと、「INDIE Live Expoへの出展が大きかった」と語っていたことが印象深いものでした。

近年では大型のオンラインイベントであるINDIE Live ExpoやAsobu Showcaseをはじめ、ストリーミング動画を通してSNSで知名度を獲得していくケースが増えたと思います。また実地開催のイベントとしては、今年はコナミ主催のIndie Games Connectや東京ゲームダンジョンといった新興イベントも登場。来年は関西でゲームパビリオンjpの初開催が予定され、九州では福岡インディーゲームエキスポが開催される予定です。

そうしたオンラインやオフラインイベントの増加によって、「インディーゲームを追いかけていくファン」も増えていった結果ではないか、と感じました。筆者は後で同業ライターや編集者と話していたことは「これは同人における壁サークルみたいなものが、今後はインディーゲームイベントでも見られるのではないか」ということです。

デジゲー博はほぼ “なんでもあり”。その中でも「これもありなのか?」と思わされるものも

その他にも「ここ数年のデジゲー博でほぼ見たことがない!」と思わされるほど、度肝を抜かれた出展も存在。Project ICKXがそうでした。

当サークルはなんと会場に超本格的なフライトシミュレーターを設置していました。ほぼ戦闘機のコクピット実物大の視点で操作できるという、ほぼアーケード筐体を これもまた自主制作の輝き。デジゲー博はなんでもありな出展が魅力ですが、ここまでの出展が出てきたのは毎年取材している筆者も想定していませんでした。当サークルはTwitterにて「出展するたびにでかくなるサークル、Project ICKXである」とも語っており、デジゲー博10年に合わせて異様な力で出展した模様です。

大手企業に所属していた(もしくは所属中)クリエイターが、その開発経験を生かしたタイトルを出展している点も見どころでした。その一例が『ARMED EATS』でしょう。本作はRamune氏が一人で作っているという、すさまじいクオリティのシューティング。氏はかつて日本一ソフトウェアに所属し『夜廻』などを開発していた経験を持つクリエイターで、現在はインディーでの開発を行っている形です。

インディーイベントが増え、ゲームを追うファンが増えた熱量がそのまま来場者に反映された10年目

デジゲー博の10年目は非常に興味深い風景がいくつも見られるイベントだったと思います。過去になく周囲のインディーゲームイベントが活況になることによって、数多くの来場者が出展作品を楽しみ、また人気クリエイターに付くファンがついていく風景というのがかなり明確に見えるようになったのではないでしょうか。

とりわけ先述のProject ICKXのように、デジゲー博10周年に合わせてなんでもありなスタンスを突き詰めていくなど力を入れて出展していたサークルも多いように感じました。 デジゲー博はそんな“なんでもあり”な雰囲気を崩さずに続いていってほしい、と筆者は次の20年を願っていました。

デジゲー博公式サイトはこちら

葛西 祝

ジャンル複合ライティング業者。ビデオゲームを中核に、アニメーションや映画、アートから文学、時に格闘技に至るまで多様なジャンルを横断して執筆している。 公式サイト:http://site-1400789-9271-5372.strikingly.com/

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