クリエイターへの助成制度「日本ゲーム文化振興財団」について岡本吉起氏が語る。氏の “ゲーム業界への恩返し ”を受けるには。

ゲームクリエイターの岡本吉起氏が、自身のYouTubeチャンネルにて「公益財団法人 日本ゲーム文化振興財団」について語っています

動画にて、この財団が「あまり認知されていないみたいなので、ちょっと皆さんに理解していただきたいな思いました」と語りたいことを説明。岡本氏は財団の理事長を務めており、この財団を設立した理由や、どんな活動をしているかなどを話しています。

日本ゲーム文化振興財団とは?

日本ゲーム文化振興財団とは、「ゲームクリエイター助成制度」によって国内のゲーム文化を振興することを主な活動としている団体です。

この助成制度は、名前のとおり若手のゲームクリエイターの創作活動を助成することが目的。応募資格は35歳以下(※応募する年度の4月1日まで)で、国内における活動をし、活動内容を報告できるクリエイターが対象だと公式サイトにて説明しています

岡本氏が動画にて「ゲーム業界で稼いだお金は、ゲーム業界に返したい」と語っているように、財団での審査委員も業界で活躍した人物が揃っています。『ゼビウス』の遠藤 雅伸氏や、ゲームジャーナリストとして活動していた平林久和氏、ファミ通で編集長を務めた経験を持つバカタール加藤氏らが様々なクリエイターを審査している模様です。

これまでの助成実績には、『カニノケンカ -Fight Crab-』をアーリーアクセス配信中のぬっそ氏が約120万円の助成を受けたことや、開発中から数々のアワードを受賞している『RPGタイム!~ライトの伝説~』の藤井トム氏が約100万の助成を受けたことなど、インディーの話題作が名前を連ねています。

また、『わすれなオルガン』を代表作とするCAVYHOUSEの『くちなしアンプル』が50万円の助成を受けており、Steamにてリリース中の『サバイバルメソッド Survival Method』を制作した味ゴハン氏が10万円の助成を受けたことが公式サイトに書かれています。日本インディーゲームシーンに一定の効果を出していることがわかるでしょう。

財団の活動はクリエイターに比較的知られており、狭き門とも

一方、この助成制度はさまざまなクリエイターが認知しており、助成へ応募するも落選してしまった声も少なくなく上がっています。

実際、岡本氏の動画には『High School Simulator 2019』をAndroidでリリースした、TOMOYA SUGIKAMI氏の助成に対するコメントがトップに上がっています。SUGIKAMI氏は「応募して落選しましたけど自力で作って1000万ダウンロード達成しました」とコメント。岡本氏はその実績をねぎらいながらも「自力で作れるんならここに頼る必要はなかったですね。それの出来ない人たちに向けての財団なので」と返信しています(※2020年6月5日時点)。

しかし国内でのインディーゲームクリエイターは増加傾向である状況に対し、助成の実績は財団が活動してきた3年間でわずか9件しかありません。

岡本氏は動画にて、ゲーム制作を副業としていることで「お金を稼ぎながらちょっとずつ作ってでは、いつまでたってもいいアイディアが世に出ない」と問題を指摘しており、クリエイターの持つアイディアを実現するための支援だと説明しています。

ですが、助成を受けるにはかなり厳しい審査が予想されるでしょう。あらためて応募要項を見返しても「活動状況及び成果について適正に報告できること」とあるように、ワンアイディアでそのまま助成が通るような状況とはまるで違う模様です。

過去の助成を受けたタイトルの傾向を見ても、確かな開発力を持っているほか、プロジェクトを完成させ、販売した実績、タイトルを完成させるまでのロードマップを一定以上は説明できる必要があるかもしれません。ゲーム業界で活躍した人物たちの恩返しを受けるには、彼らが業界で生き抜いてきたのに近いプロジェクトの説明能力や進行能力も見られているのでしょう。

今年の助成への応募は、過去2年の傾向を見るに9月~11月ごろに開始されると思われます。

助成を考えているクリエイターは、アイディアだけではなく、開発能力のほか、財団へ明確にプロジェクトを説明できる能力や、活動状況やロードマップを報告できる能力なども考えたうえで、戦略的に応募していくことが必要かもしれません。

公式サイト:日本ゲーム文化振興財団

葛西 祝

ジャンル複合ライティング業者。ビデオゲームを中核に、アニメーションや映画、アートから文学、時に格闘技に至るまで多様なジャンルを横断して執筆している。 公式サイト:http://site-1400789-9271-5372.strikingly.com/

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