ゲームのリリース時期はいつに設定すべきか?:リリースから2年後までの損益を計算するスプレッドシート付き

[本記事は、GameDiscoverCoニュースレターの日本語翻訳です。GameDiscoverCoの許諾を得て翻訳・掲載しています。]

みなさんはゲームをどの時期に発売したいと考えていますか?Steamのセールと重なる時期でしょうか?それとも年末年始でしょうか?
以前に、GameDiscoverCoがゲームのリリースは何時にすべきかを分析しました。結論はSteam上、多数のゲームは6時〜10時 PST (日本時間22時〜2時)に発売しました。(ただし、日本の場合はより早いほうが国内と中国からの購入が獲得できます。)
時間については紹介しましたが、注目を集めるための発売時期についてはまだですね。この記事では、2つの意見を紹介します。1つはざっくりとした意見で、もう1つはより詳細な意見です。そして、別の話題としてゲームの融資担当者からの利益計算モデルを紹介し、Steamサマーセールで変わったことを紹介します。

リリースのタイミングについて:ざっくりとした意見

まずざっくりとしたほうからです。GameDiscoverCo Plus限定ディスコードではCarless氏が次のように答えました。ゲームの発売は「盛大なSteamセールではない時期」に行うべきです。また、避けるべきかもしれない時期は11月と12月のSteamセールの間です。年末までにゲームをリリースしたい方が多いので、競争は激しいでしょう。

デジタル販売の時代は基本的に時期とは関係なくなりました。実店舗時代ではゲームのパッケージ版がクリスマスに間に合うように買われましたが、デジタル時代では、サマーセールやウィンターセール仕様になった時期に発売されると、普段確保できる露出(例えば、「人気の新作」枠など)を失ってしまいます。

リリースのタイミングについて:詳細な意見

より詳細な意見では
 a. 対象となる動画実況者があなたのゲームに集中できる時期か
 b. 大人気タイトルの発売と同じ週か
 c. 複数のプラットフォームでリリースするか
を考慮すべきとしています。

a.に関しては、動画実況者が数百個の無料かつ期間限定のデモに誘惑されたら、他のゲームを配信する暇があまりないでしょう。そのため、Steam Next Fest (以前はSteamゲームフェスティバル)など発表が多い時期に、最初の数日間は発売を避けたいかもしれません。

また、『Cyberpunk 2077』のような大人気タイトルと同じ週に発売するのも心配かもしれません。『Cyberpunk 2077』が2020年12月上旬に発売されましたが、下記のランキングはGameDiscoverCoの当時のHype Chart(人気ランキング)です。その週はCarless氏によると「Cyberpunk回避週」だそうです。なぜかというと、その週に発売されたゲームの中で、1,000フォロワー以上のゲームは『Cyberpunk 2077』以外2つしかなかったからです。

当時(2020年12月上旬)の未発売Steamゲームの人気ランキング

その他、複数のプラットフォームにおけるリリースも考慮する要素の一つですね。PC版のリリースとゲーム機版のリリースに間が空いた場合はそのタイトルに対する熱が冷めたことがあります。どのように再び注目を集めるかの問題が生じてしまいます。なぜなら家庭用ゲーム機の実況者は少ないからです。

結論、リリースのタイミングを考慮するべきですが、ファンの関心とゲーム全体のクオリティーの指標をもっと気にすべきでしょう。「死」と「うつ病」のテーマを含んだホラーRPGの『OMORI』が2020年のクリスマス当日(!?)に発売されましたが、レビューが17,000件を超えました。1レビューあたりの購入件数の中央値(38件の購入 / レビュー)から逆算すると、約7ヶ月で64万件以上の購入件数があるわけです。競争が激しいクリスマス時期でもこんなに人気を集めることができるなら、何でもありですね。それだけファンの関心とゲーム全体のクオリティーが重要です。

ゲームの融資担当者からの利益計算モデル

ソシエテ・ジェネラルでゲームの融資担当を務めるStephane Rappeneau氏が利益計算モデルのスプレッドシートツイッターで共有しました。日本円バージョンはこちらです。

元記事の英語版
使い方の例。複数のパラメーターによって利益を計算できます。

C列のパラメーターを調整すれば、1年目と2年目の利益を予測できます。このスプレッドシートは利益の割合予測と公開されたウィッシュリスト数などに基づいたモデルです。誰向けかというと、リリースから2年後までの損益を素早く予測したい中小スタジオ向けです。使うタイミングはパブリッシャーと交渉するフェーズなど早い段階でも良くて、その後は毎月スタジオとパブリッシャーの投資金額を更新すれば、金銭的な問題をある程度可視化できるでしょう。

Stephane氏は「たくさんのモデルを見てきましたが、それらは複雑すぎるか、簡単すぎてロングテールと最近の基準を考慮しないものですね。」とコメントしました。このモデルにロングテールと最近のウィッシュリストコンバージョン率を取り入れました。

注意すべき点ですが、Carless氏のように皆さんにとって、2年間のモデルのロングテール分布は予想より悲観的に見えるかもしれません。その理由はこのモデルが減衰モデルで、前提は1年目がゲームの成功失敗を決める観点で作られたからです。このモデルを使う際に、リスク管理のツールとしてご利用ください。

Steamサマーセール:変わったこと

Steamサマーセールが最近終わりましたが、仕様の振り返りをまとめました。今年初めてのギミックとして、テキストアドベンチャーゲームForge Your Fateが開催されました。特定のセールページにアクセスすると、ストーリーを進めることができます。ストーリー中、2つのアクションから選択することでアニメーションスタンプをもらえます。

また、上位に表示されるゲームは前回よりアルゴリズムに基づいてカスタマイズされるのではないかとGameDiscoverCo Plusのコミュニティーが予測しています。例えば、Hypetrain DigitalのIvan氏に以下のスクリーンショットを提供していただきましたが、上位を占めるゲームはすでにウィッシュリスト登録済みのゲームが多かったです。

Ivan氏のカスタマイズされたSteamページ

この仕様をサマーセールの「あなたのようなプレイヤーに好評」枠と「DLC」枠、及び「ディスカバリーキュー」閲覧からもらうトレーディングカード特典と組み合わせたら、確かにこのセールは普段よりプレイヤーの好みにカスタマイズされているようです。もちろん、特定のゲームをどのように上位に表示されるかの仕組みは分かりませんが、セール中にプレイヤーの好みが考慮されているようです。

それでウィッシュリストによく登録されるゲームのほうが売れるのではないでしょうか。ただし、売れた分セール中は返金リクエストが増えますので、ご注意ください。

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Cheryl Ng

翻訳者・イラストレーター・謎クリエイター。主にゲームと謎を翻訳、時々イラストと謎を制作

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