Nintendo Lifeのベテランライターが語る:メディアへゲームをアピールする方法

[本記事は、GameDiscoverCoニュースレターの日本語翻訳です。GameDiscoverCoの許諾を得て翻訳・掲載しています。]

GameDiscoverCoにポッドキャストのリクエストがたくさん届いていたため、最近『Tales From GameDiscoveryLand』が始まりました。このポッドキャストはゲーム業界の方々とのインタビューが中心で、2週間に1回放送されます。第1回目のゲストはNintendo Life、Kotaku、およびRock Paper ShotgunのベテランライターであるKate Gray氏です。今回の記事では、初回のポッドキャストで配信した「メディアにPRするときのポイント」をまとめました。

メディアに声をかけるときのポイント

メディアに連絡するとき、もしくはプレスキットとして文書や画像などの素材を送るときにするべきのポイントは以下のとおりです。

  • 興味を引くような内容を簡潔に
    メディアの受信トレイは毎日たくさんのメールで埋まります。他のメールと差別化できるように、簡潔なキャッチコピーがあることがオススメです。ニュースライターの一日を想像してみてください。受信トレイを見るための時間が限られているため、 まずざっくりと件名を見ます。「〇〇が20%オフのセール中です」など長い件名のメールがほとんどで、一通のみ簡潔なメールがあったとします。件名が短いからこそ、売り込みが目標ではないメールに見え、知り合いからのメールなのではないかと思うでしょう。あなたのゲームの紹介が始まる前に、メールに対して少し柔らかい態度で接してもらえると考えられます。
  • 文章が硬すぎないように(訳注:日本の文化とは少し異なります):
    ゲーム開発者であれば、ゲームが好きなはずです。ということは、メディアのライターと共通点があります。制作しているゲームを改まった文章でアピールするより、好きなものをアピールしているような少し柔らかい文章にすると良いかもしれません。ただし、担当者が引くほど馴れなれしくしすぎないように気をつけましょう。
  • 他のゲームを引用して自分のゲームを紹介
    ゲームの内容紹介では、ジャンルで紹介する傾向があります。しかし、ジャンルに含まれている情報はゲームのシステムしかないのではないでしょうか。例えば、アクションゲームといっても、「アクションがあるゲームですね」以外に何か思い浮かびますか?横スクロールか縦スクロールか画面が固定なのか、ジャンルというものは言葉の意味が広いです。そのため、「{他のゲーム} と{他のゲーム}の良いところを組み合わせたゲームです」のように、他のゲームで自分のゲームを表現したほうが分かりやすいです。
    ただし、期待はずれのリスクがあります。たとえば任天堂の傑作ゲームを引き合いに出して、プレイヤーの期待が高まったまま、傑作とは遠かった場合は悪い印象になります。また、大きなシリーズを選ぶより、特定のタイトルまで提示したほうが伝わりやすいです。「ゼルダの伝説」と言われても、「神々のトライフォース」もあれば「ブレス オブ ザ ワイルド」もあります。また、最近はピッチで「ソウルライクのゲームです」と紹介されることが何度もありました。誰もが使うゲームは聞き飽きてしまいますね。差別化は大事です。
  • 紹介画像のロゴあり・なし版
    記事にはアイキャッチ画像があります。このアイキャッチ画像は記事を読むデバイスにより、小さくなる場合があります。そのとき、画像にロゴが入っていると、ロゴが小さすぎて雑に見えます。そのため、ロゴありの画像しか用意していなかった場合、メディアはそのロゴをトリミングしてしまい、その画像の魅力的な部分がなくなる可能性があります。それを防ぐために、ロゴのあり・なし版両方を提供してもらえると、助かるとのことです。
  • ゲームを紹介できる10枚の画像:
    プレスキット煮含める画像は大体10枚がオススメです。10枚の理由は、切りの良い数字でありゲームの様々な面を紹介できるからです。その中に、UIが見えるスクリーンショット、ライティングの良いシーン、色合いの良い環境ショットなどがあると、ゲームの実態が伝わりやすくなります。

メディアに声をかけるときに避けるべきこと

逆に、メールを書いているときに注意すべきことは以下の4点です。

  • 件名に詰めすぎないよう:件名が長すぎると、肝心なポイントが表示されなくなります。モバイルで確認したら、尚更表示される文字数が限られてきます。スマートフォンの画面サイズにもよりますが、大体18〜20全角文字が表示されます。
  • 無理にライターのファンのフリをしない:ライターにメールを送信するとき、本当にそのライターが好きであれば、ファンとして「〇〇さんの記事が好き」で始めても良いです。しかし、Kate氏の経験では「あなたの記事が本当に好き。こないだ〇〇を読んだ」で始まるメールがよく届くとのことです。その上、〇〇が最後に書いた記事であった場合、書き手がグーグルで検索したことがバレバレです。ライターも人間なので、嘘のファンと本当のファンを見分けられるとのことです。
  • ニュースにならない発表は迷惑メールになる:「クラウドファンディング始めました」などと、ときどき報告してくる人がいます。クラウドファンディングが目新しいときはいいフックでしたが、今はもう普通のことです。「セール中です」も同じく、前代未聞なセールでない限り(価格1円など)、記事にはなりません。
  • メールに誤字脱字
    メディアのメンバーはほとんどライターであり、誤字脱字や文法に厳しい人が多いです。Kate氏の経験では、ゲームのタイトルの綴りが間違ったプレスリリースが何件も届いたことがあり、「あれ?自分の大事なプロジェクトなのに、タイトルすらチェックしないわけ?」と思ってしまったとのことです。送信前にチェックしましょう。

最後に

Kate氏によると、最近はツールを使った一斉送信が多いですが、メディアの窓口も人間であることを忘れないことが大事だそうです。言い換えると、ライターの時間を尊重しようということです。
メディアの仕事の多くはメールを開いて、その内容を記事にすることですが、決して重要な情報のないメールを送ってもいいというわけではありません。要するに、メディアはロボットではなく、プレスリリースを魔法で記事にできるわけがありません。十分な情報を簡潔に提供することがオススメです。

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Cheryl Ng

翻訳者・イラストレーター・謎クリエイター。主にゲームと謎を翻訳、時々イラストと謎を制作

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