変形合体Androidゲーミングデバイス「Pimax Portal」開発者向けツアーレポート

2022年12月17日から22日にかけて、VR HMDを主に販売しているPimaxが、東京で開発者・ユーザー向けのイベント「Pimax RoadShow」を実施しました。

このイベントの目玉は、同社の最新デバイス「Pimax Portal」の展示です。現在、Kickstarterにてクラウドファンディングを実施しています。動画を見ていただければこのデバイスのユニークさが一目瞭然です。

試遊できたタイトルは「原神」。ヘビーなゲームだが、快適に動作した

スクリーン解像度は4K(3840 x 2160)です。本デバイスはSoCにSnapdragon XR2を搭載。1〜2世代前のアッパーミドルにあたる性能があります。Android OSバージョンの確認は忘れてしまいましたが、一般的なAndroidゲームはすべて動作するとのことです。比較対象として挙げられるNintendo Switchは2015年「Tegra X1」をベースとしたチップであるため、Switchで動作するゲームならほぼ問題なく本機でも動作すると考えられます。ただし、4K解像度ネイティブですと追いつかない可能性があるので、内部解像度とフレームレートのバランスが取れる設定項目は必要かもしれません。

Androidのゲームを遊ぶ際は、コントローラーとタップ操作を連携させるための専用システムを使用します。ボタンを押したりスティックを操作したりしたときにタップ操作に変換し、擬似的にコントローラーの対応を行えるものです。

そして、本機の最もユニークな点である「変形合体」についてもイントロダクションがありました。本体には6個ものカメラが搭載されており、うち4つはコントローラーの位置を検出するためのものです。ベースステーションにドッキングすることで、コントローラーを使ったFPSやスポーツタイプのゲームが遊べるとしています。

コントローラー部分を外したあと、Oculus Touch風のグリップと合体させます。

また、本体を懐かしのGear VR風デバイスと合体させることで、1920×2160 per-eyeの高精細なスタンドアローンHMDに変身します。

映像は非常に鮮明でした。本誌はXRに関連した情報は多くは扱わないものですので、他のHMD機器との比較や特徴については他紙のレポートを御覧ください。

小型で持ちやすいが、強力な磁石に注意

本誌として注目したいのはやはりハンドヘルドモードでの遊びやすさです。Nintendo Switch Liteと比較すると、ほぼフォームファクタは似た大きさであることがわかります。

本体の厚みについても同様です。重量はSwitch Lite(約275g)よりも重く、320から380g弱程度に感じました。

なお、Switchと異なり3.5mmヘッドフォンジャックを持たないため、USB-Cか無線でのイヤフォン接続が必要です。

特徴のマグネット式のコントローラ接続にはかなり強力な磁石がついており、コントローラー部分だけを持っても本体が外れることはありません。

2個のマグネットは左右コントローラーでNS極が逆になっており、コントローラー同士をくっつけて1つのコントローラーとして遊ぶこともできます。あまりにも磁石が強いため、他の来場者と「HDDがやられてしまうかもしれない」「クレジットカードと一緒に持つと危ないかもしれない」といった意見も出ました。

非XRゲームも専用ストアで販売可能

筆者のようなPC / コンソール向けにゲームを作っている開発者として気になるのはGoogle Playでゲームを販売しない場合のPimax Portalでの提供方法です。Pimax専用のストアではXRゲームでなくても販売が可能である見通しとのことで、技術面ではゲームをAndroidビルドし、Pimaxのコントローラーを管理するSDKを導入すればよいとのことでした。ストアについては鋭意準備中とのことですが、AppStoreやGooglePlayに近い、開発者登録のハードルが低いストアになると聞きました。(たとえば提出から販売審査は2週間程度、など)。本国の技術者とリモートで直接話もできたため、本紙では詳細が分かり次第、さらなる情報を追加していきます。

昨今はSteam Deckを始めとして、Ayaneo, Loki, GPDWINなど大量のポータブルゲームデバイスが発売されています。その中においても本機は「Andorid OSである」「専用ストアがある」「HMDに変形」という多数の特徴を持つ意欲的なデバイスです。新ガジェットが好きな方は、ぜひ開発ターゲットとしてPimax Portalに挑戦してみてはいかがでしょうか。

Kickstarterキャンペーンはこちら

igjd

IndieGamesJp.dev Moderator

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