mBaaS「ニフクラmobile backend」のサービス提供が2024年3月末で終了へ。
富士通クラウドテクノロジーズ(2024年4月に富士通株式会社へ吸収合併予定)は、同社が提供するモバイルバックエンドサービス「ニフクラ mobile backend」、通称NCMBのサービスを終了することを発表しました。
ニフクラ mobile backendは、2024年3月31日をもって
本サービスの提供を終了させていただくこととなりました。2024年4月1日以降、サービスはご利用いただけなくなり、
https://mbaas.nifcloud.com/info/2023/11/post-171.html
すべてのデータが削除されます。
ニフクラmobile backendは、Unity SDKをはじめSwift / Kotlinなどさまざまな環境に対応。ゲームやアプリにユーザーログイン、データストア、ファイルストアなどのサーバー機能を手軽に導入できるサービスとして人気を博していました。
利用タイトルの代表的なゲームは、ところにょり氏による「ひとりぼっち惑星」で、配信当時は大きな話題を呼びました。他にも「鉄道駅ゲーム えきっと!」や「ネコの絵描きさん」など、さまざまな個人・小規模チーム開発アプリでも使用されていました。
ユーザーの移行先はPlayfab、GS2などが視野に
かつてFacebookは同カテゴリのBaaS「Parse」を2013年に買収後、2017年にサービスを終了させるという出来事がありました。また、同じくBaaSのGameSparksは、Amazonに買収された際にサービスの全作り直しを理由に買収前のサーバーが2022年9月に閉鎖されましたが、肝心のAmazon GameSparksは未だにプレビュー版のままです。
現在、同種のバックエンドサービスで家庭用ゲーム機に対応しているものとして挙げられるのは、まずはゲーム専用バックエンドであるAzure Playfabです。
Azure Playfab
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/playfab
2018年にマイクロソフトに買収され、同社の各ゲームのほか、UBIsoft、Robloxなど大手ゲーム開発会社にも利用されています。Windows, mac, iOS, Android, 家庭用ゲーム機, webゲームで利用できます。国内においては、書籍『PlayFabゲーム開発テクニック』が2021年に発売され、国内ユーザーも増えているものと予想しています。
また、マイクロソフトが提供するスタートアップゲーム開発者支援プログラム「ID@Azure」に含まれており、採択者はPlayFab Standard を2年間無償で利用できるようになります。
別の選択肢としては、国産ゲーム向けBaaSである「Game Server Services」があります。
Game Server Services
https://gs2.io/
Unity / Unreal で動作し、スマホ・PC・コンソール機・ブラウザゲームに対応しています。Made in Japan / Made by Game Developer だからこそ実現できた
日本のゲーム開発者の《欲しかった》が実現した 汎用ゲームサーバー、という標語を掲げ、提供されています。「Game Server Services」は12月17日丹開催されるインディーゲーム開発者向けカンファレンス「Indie Developer Conference 2023」にスポンサーとして参加しており、日本国内のインディーのサポートについて積極的です。
現在ニフクラmobile backendを利用している開発者は、いずれかのサービスに移行が必要となります。早めの情報収集をおすすめします。