ディズニーがインディーゲーム開発者へのIP提供の可能性を語る。AAAではない、インディーのクリエイティブからも可能性を探る狙いか
E3 2021にて、ディズニーが今後AAAタイトルだけにIPを提供するのではなく、インディーゲームの規模にもIPを提供していくことを発表しています。
IGNの取材によれば、Walt Disney GamesのSVPを務めるSean Shoptaw氏は「これまでのようなベセスダ・ソフトワークスやUbisoftのような大企業によるAAAタイトルとの協力ではなく、インディーゲームの規模でも協力していきたい」とのことです。
Disney and Pixar GamesのVPであるLuigi Priore氏も、「AAAタイトルがキャラやストーリーを伝えたりするのにもっともな方法ではない」と述べており、近年のインディーゲームの表現力について評価。「より個人的な、インディーの体験」をディズニーで行う機会を考えているようです。
ディズニーの近年のビデオゲームへの取り組み
今回の背景には、「ビデオゲームにおけるディズニーの復活」を考えていることが大きい模様です。Gamesindustry.bizによれば、「2016年ごろにディズニーはゲーム業界から完全に撤退したように見えた」状況と比較して、近年は戦略の変化が顕著とのことです。今回のE3でも人気海賊ゲームである『Sea of Thieves』と、ディズニーが「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズとのIPを協力を発表しています。同記事では、Shoptaw氏はディズニーのゲーム展開について「単にIPをゲームに合わせることじゃなくて、IPをゲームで再構築してほしい」と語っています。
Shoptaw氏は再構築の事例として、インソムニアックが製作した『スパイダーマン』や、スクウェア・エニックスの『キングダムハーツ』といったケースを挙げています。IGNとの取材も合わせて考えると、今回のインディーへIPを開くということは、ディズニーが自社のコンテンツを再構築する可能性を広げていきたいものだと考えられるでしょう。
映画業界においては、かつてUnityとワーナーブラザーズが募集した「Universal GameDev Challenge」では、同社のIPを活用したゲームが開発できるコンテストでした。今後はディズニーからも、こうしたイベントが企画されるかもしれません。