インディ開発者サポートiGiが「試作ゲームのクオリティアップ資金」を提供、返済不要・パブリッシャー縛りなし。第二期参加チームを2/28まで募集中
日本のインディーゲーム開発者向けインキュベーションプログラム「iGi indie Game incubator」は、ゲームのプロトタイプに対する資金援助を発表しました。ゲームを完成させるための資金ではなく、あくまでパブリッシャーや投資家に見せるためのプロトタイプ(バーティカルスライス)のブラッシュアップを目的としたものです。
「開発支援金の用途は応募作品のゲーム開発におけるクオリティ向上、ブラッシュアップに限らせて頂きます。」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000081329.html
また、本資金によるクオリティ向上を足掛かりにして、パブリッシャーや投資家から本体向けの開発資金を調達するためのサポートがiGiのメンタリングプログラムによって提供されます。
パブリッシャーの選択は開発者にゆだねられる
ゲーム向けの資金提供型プログラムは、ゲームの発売後に売り上げを按分することで、出資金額をあとから回収するモデルが多くを占めています。しかし、今回のiGiによる資金は返済不要であり、ゲームの販売や完成と関係がありません。iGiはそもそもパブリッシング機能をもたないため、この資金を得た開発者が、どのパブリッシャーと組むかは自由です。
iGiプログラムの主催である株式会社マーベラスには開発者との「優先交渉権」こそ付与されますが、開発者自身がパブリッシャーを決定できます。もちろん、自分個人でのSteam配信も可能です。
返済が不要な反面、条件は厳しめです。まず、iGiへの応募は企画段階のゲームは申し込み不可となっています。応募者が開発したプロトタイプがすでに動いていることが条件です。また、資金支援に限っては「世界のゲーム市場で成功するポテンシャルのある作品」という指定があり、多言語ローカライズや海外市場向け活動を予定している開発者が対象です。
[iGiが開発資金の支援対象とするチーム・クリエイター像]
・世界のゲーム市場で成功するポテンシャルのある作品を開発していること
・開発支援金の用途について具体的な計画があること
・iGiの趣旨を十分に理解し、提供された支援金をゲーム開発のために使用することをお約束いただけること[開発支援金の金額]
・開発支援金の金額は、1チーム当たり500万円を基準とし、上限1000万円といたします。
・申し込みのあったチームと協議を行い、iGi事務局が選任した審査員による審査を経て決定いたします。[開発資金の支援の条件]
・今回支援する開発支援金は返済不要といたします。開発支援金の用途は応募作品のゲーム開発におけるクオリティ向上、ブラッシュアップに限らせて頂きます。
・応募作品に関する権利は応募チームが一切を保持し、iGi・株式会社マーベラスは一切権利を主張いたしません。開発資金の支援の実施によって、応募作品のパブリッシングに関する株式会社マーベラスが優先交渉権の内容や条件に変更は生じません。
・開発資金の支援の実施は、iGi第二期インキュベーションプログラムへのご参加が前提となります。
・開発資金の支援を実施することによって、特定の期限までに作品の完成を求められることはありません。但し、iGi第二期プログラム開始時に、会期中6か月間の開発目標について、iGi事務局と合意をしていただくとともに、最終日のデモデーに向けて作品のブラッシュアップやプレゼンの準備に取り組んでいただきます。
・iGi第二期インキュベーションプログラムの詳しい内容につきましては、こちらのページ(https://igi.dev/program.html )をご確認ください。[お申し込み方法]
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000081329.html
・iGi公式HP上の参加チーム応募フォームより申し込みを行っていただき、同応募フォームにて「開発資金提供を希望する」にチェックを入れてください。
※お申込みの条件は、iGi第二期プログラムへの応募条件と同様であり、追加の条件などはございません。
・第二期のチームとして選抜され、プログラム参加を受諾いただいた後、iGi事務局所定の手続きを経て開発資金を支援いたします。
資金提供だけではなく、400時間のカリキュラムで作品のブラッシュアップとプレゼン訓練を行う
今回iGiは新たに資金提供を発表しましたが、iGiの本質は「ゲーム開発の有識者によるメンタリング」です。半年間で400時間が設定されたカリキュラムに沿って、オンラインのメンタリングが実施されます。ゲーム開発に必要な技術やアート、翻訳やファンコミュニティづくり、パブリッシャー向けの作品プレゼンテーション(ピッチ)の日本語・英語での訓練といったメニューが含まれています。
メンタリングを実施する専門家は30名ほどおり、実際のインディーゲーム開発者をはじめ、翻訳や海外展開、メディア、法務など技術とビジネスの両面となっています。
いきなり資金を提供するのではなく、ゲームプロジェクトをどのように精練し成功させ、チームがゲーム産業の中でいかにして継続的に活動していくか、というゲーム開発者そのものの育成がが含まれたプログラムである、といえます。
昨年実施された「第一期」では、5チームがプログラムを受け、家庭用ゲーム機のプラットフォーマー各社や投資家、パブリッシャーに向けたプレゼンテーションイベントが実施されました。「南極計画」「れーぞく!ネクロマンスちゃん」「NeverAwake」「Ninja or Die」「Relash」の5タイトルがピッチを実施しています。
今年実施されるiGiの第二期メンバーの募集は既に開始しており、締め切りは2/28です。
(なお、本メディアの運営企業である株式会社ヘッドハイは、iGiへのアドバイザリーとして参加しています。本サイトで発信しているゲーム開発の技術・ノウハウ情報をベースに参加チームをサポートしています。)