ゲームイベントのオンライン化はクリエイターに何をもたらすのか?新型コロナ影響後に開発したゲームを広めるには。

今年2020年、新型コロナウィルス(以下、新型コロナ)の影響により、数多くのゲームイベントが中止を発表しています。

E3やGDCといった業界を代表するイベントのほか、日本でも東京ゲームショウ2020(以下、TGS2020)が中止を発表。この影響により新作タイトルをアピールする機会が失われかねないため、いま代替策としてオンラインイベントが提案されている状況です。

この状況により、多くのクリエイターもゲームをアピールしたり、ビジネスの展開も変わってくるでしょう。今回はどのような状況であるかをまとめています。

各イベントのオンライン化の動向

さて各イベントはオンラインイベントへ転換することで、どのようにこの状況へ対応しているのでしょうか?

まずインディーゲームのクリエイターや業界向けののグループであるThe Media Indie Exchange (以下MIX)は、Kinda Funny Gamesと共にオンラインイベント「Guerrilla Collective」を今年6月に開催することを発表しています(関連記事)。

こちらは大規模なインディーゲーム系のオンラインイベントとなりますが、この企画はE3が中止の影響もあるのかもしれません。MIXは例年、E3やGDCの時期に合わせてイベントを開催していました。しかし、今年は両イベントとも中止を発表。代替策が問われている最中でした。

E3はオンラインイベントを断念した一方、GDCは今年8月「GDC Summer 2020」としてすべてデジタル化したイベントの開催を決定しています。

アジアでは、韓国の釜山インディーコネクトフェスティバルがオンライン化を発表(関連記事)。早急なイベントの転換が見られました。

日本でもTGS2020は現在オンライン化を検討中とのことです。また開発者向けのカンファレンスであるCEDECは今年、オンライン開催に切り替えたことを発表しています。

概ね大規模なイベントがオンラインへの転換に悩んでいるところ、インディーゲーム系はいち早くオンラインイベント化を決行している傾向が見られると思います。

オンラインイベント化により、クリエイターがゲームをアピールする機会はどう変わるか

一方でオンラインイベントに切り替わることで、クリエイターは自作をアピールしたり、ビジネス展開することはどのように変わるのでしょうか?

今回の新型コロナの影響により、通常のイベントが中止していく状況で大きなニュースは「Indie MEGABOOTH」が活動休止を発表したことでしょう。これまでのイベントに出展していく方法に

同団体はインディーゲームの展示やプロモーションを支援していました。しかし新型コロナの影響により、9年に渡る活動を停止することを公式にて語っています。休止は「ウィルスが落ち着くまでのあいだ」と語られていますが、はっきりとした再開は未定のようです。

通常のイベントが中止していき、クリエイター支援の団体が活動を止めるなか、これまでの方法で自作を広めていく経路が断たれています。

やはりクリエイターがイベントに出展するメリットには、開発中のゲームを多くの方に遊んでもらうことのほか、世界のさまざまなパブリッシャーの方との出会いも大きいでしょう。イベントでのパブリッシャーとの出会いが後に契約に繋がる可能性も少なくないため、オンラインイベントでそれがどうなるのかの懸念があるでしょう。

ではオンラインイベントによる自作のプロモーションは、いまのところどんな方法があるのでしょうか?

もっともわかりやすいところでは「Steamゲームフェスティバル」が挙げられるでしょう(関連記事)。こちらはクリエイターがストリーミングで自作を紹介したり、デモを公開して広く遊んでもらえるようにするなど、通常のイベントの機能をオンラインで行うようにしています。来月6月には「サマーエディション」が9日から14日にかけて開催を予定しています。

一方でイベント側がはっきりとビジネス機会を提供する動きがあります。5月13日、「台北ゲームショウ2020」は「TGS LINK Biz-Matching 2.0」の開催を発表。これはビジネス会議用のチャットツールLINK Bizを利用し、インディークリエイターを様々な企業とマッチングさせる試みです。

もともと台北ゲームショウ2020は開催を予定していましたが、新型コロナの影響で中止を発表しています。今回の試みは、イベントでパブリッシャーとの出会いを補完するものとして注目できるでしょう。

逆にオンラインイベントは今後のゲームイベントのオーソドックスな形になるか?

オンラインイベントが「今後のゲームイベントにおけるスタンダードになる」という可能性も語られています。「Summer Game Fest」は開催の方法からコンセプトに至るまで、今後オンライン化が進んだゲームイベントのあり方について参考になるイベントです。(関連記事

同イベントのキュレーター、ジェフ・ケイリー氏は「デジタルイベントへの移行はパンデミックによって加速されたものの、業界はいずれにせよその方向に進み始めている」と発言しています。

Summer Game Festは事実上E3の代替のようなオンラインイベントの側面も強く、主に大企業が関わっているものですが、ケイリー氏の発言にはゲームイベントの今後を示唆しています。とりわけインディーゲームイベントのオンライン化においては、先の台北ゲームショウの「TGS LINK Biz-Matching 2.0」のようにパブリッシャーとの出会いを提供することも必要になってくるでしょう。

新型コロナの影響により、各イベントは早急な代替策に追われていますが、一方では今後のゲームイベントの形が変わってゆく可能性も見られています。今後のインディーゲームクリエイターが自作をアピールしたり、ビジネス展開したりする経路にも変化があるのかもしれません。

葛西 祝

ジャンル複合ライティング業者。ビデオゲームを中核に、アニメーションや映画、アートから文学、時に格闘技に至るまで多様なジャンルを横断して執筆している。 公式サイト:http://site-1400789-9271-5372.strikingly.com/

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